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2005年11月 4日 (金)

貞操花鳥羽恋塚を見ました。

しばらく仕事と、その他いろいろなことに追われていたら、早くも11月になってしまいました。けっこうこれを書き続けるのも大変です。先月、書こうと思っていたのはまず国立劇場に歌舞伎公演を見に行ったこと。前に、年に1回ぐらいと書いたけど、今年はなぜかこれで2回目になります。

1回目は7月の親と子の歌舞伎教室で、義経千本桜の川連法眼館の場。この7月の歌舞伎教室は、とても安い値段で見られるので、子供連れにはうれしい企画です。ちょうど先週の日曜日にNHKの芸術劇場で放映していました。私の大好きな市川笑也さんの凛として美しい静御前をまた見ることができて幸せでした。狐の超人的な動きを仕掛けやアクロバットで見せる娯楽性の強い演目と思っていましたが、(その昔は猿之助さんの宙乗りがブレイクしましたね)このときは前から3番目という表情がばっちり見える席だったこともあるかもしれませんが、市川右近さんの狐忠信が切々と胸に迫り、泣けました。千本桜で泣けたのは初めてです。今回、またテレビで見たら、あのきりりとした静御前が、狐の一途な思いに触れ、途中からとても優しい柔らかな表情に変化していくんですね。2度感動しました。

それからこの間、国立劇場の10月公演の貞操花鳥羽恋塚の千秋楽に行きました。テレビで尾上松緑さんの崇徳上皇が天狗になって宙乗りをしているところをやっていました。斜交い?筋交い?の宙乗りとかで、客席を斜めに横切るのは珍しいそうです。それと、この演目は25年前に復活上演されて以来、通しではこれで2度目という非常に珍しい演目で、実はその25年前に、私は学生のときに見ているのです。平家物語に取材した奇想天外な物語と、鶴屋南北の舞台装置を駆使した怪奇の世界が思い起こされ、あ、これは見なくちゃ、と思っていると、何と半額の「得チケ」があって、超ラッキー。(これって七赤吉方の効果かなと思いつつ)

でも、行ってみると最終日にもかかわらず、けっこう空席がありました。長い興行だと、後半はリピーターが多くなると思うのですが、ということはあまり面白くないのかな、とまず思ってしまいました。内容は、例の25年前と、長い原作の通し狂言の中の、とる部分が違っていて、え、こんなお話だった?まあよく覚えていないこともあるけど‥‥‥。頼豪阿闍梨のくだりといい、崇徳院といい、何かテーマが、現代の感覚とそぐわないんじゃないかなと思ってしまいました。私個人でいうと、船井オープンに行って以来、EVAモードというか、この世はすばらしい愛の時代になりつつあると、そんな意識になってきていたところだったので、ちょっと違和感があって、感情移入ができませんでした。確かに屋台崩しから宙乗りまでの息もつかせない面白さというのはあります。隣の席の小母様方はしきりに「すごーい」を連発していました。でも、今の私としては、「この怨みはらさでおくべきか~」という情念がちょっとピントが外れていたので、ただのこけおどし的なものに感じてしまったわけです。

確かに、今の世の中、犯罪とか、虐待とか、25年前には考えられなかった乱れた世の中になっていると思います。でも、江戸時代の庶民や、歴史上の政治的弱者と違って、やり直しができない世の中ではない。それと、船井オープンとかにやって来るたくさんの人たち。明らかに、新しい、すばらしい世界を希求する人たちがふえているこの時代に、恨みとか怨念とかが、どの程度受け入れられるかというと??じゃないでしょうか。それよりは、親を慕い身もだえする子狐に泣ける方が自然だと思います。また、この宙乗りで終わればすご~い!ですんでいたのに、そのあとでとってつけたような表題の物語。さすがに5時間は長かったです。面白くなかったとはいわないけど、何か今の感覚にはそぐわないなと思い、改めて自分自身の姿勢の変化にも気づかされました。

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