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2008年7月23日 (水)

「バレエまつり」in立川~続き

第1部
「人形の精」よりパ・ド・トロワ(バディナ&クリバエフ&モトゾフ)

最初の演目はピンクのドレスの人形の精と、二人のピエロのかわいい踊り。人形の女の子が一人のピエロと踊っていると、もう一人が泣いたり怒ったり、表情の変化が面白い演目でした。会場には娘の通っているバレエ教室の、小さい子クラスの子達も何人かお母さんと来ていましたが、子どもたちに聞いてみたらこれが一番面白かったとか。お子様受けする演目をトップに持ってきたのはよかったと思います。

「スパルタクス」よりアダージョ(リュボムドロワ&パルハチョフ)
戦いに出るスパルタクスとその妻フリーギアの別れのシーンだそうです。お姉さんの解説がまた、「もう二度と会えないかもしれない、そういう悲しい別れの踊りです」と声色まで悲しげになって、さすがです。スパルタクスの衣装は皮の鎧みたいなのとプリーツスカートみたいなもので、脚は素足に編み上げ?みたいなサンダル。フリーギアの衣装は横にスリットの入った、ピンクの袋みたいなへんな衣装でした。踊りはリフトが多くて華麗なものかなと思っていたら、さにあらず。もっとモダンっぽいカクカクした動きで、特にフリーギアの心情を強く表す演劇的なものでした。だけどスパルタクス、あんたは木石か!?全然表情が動かないし、動きで表現?もしてないみたいで、ちょっと心外でした。最初の演目の喜怒哀楽のコロコロ変わる感情と、この演目の深く沈んだ哀しみと、バレエではいろんな心の様子が表現できるということを示したかったのかもしれませんが、残念ながら子どもには(大人にも?)つまらなかったと思います。

「白鳥の湖」より4羽の白鳥(ダヴィドワ&ホメンコ&小池沙織&シマコワ)
去年もやりましたね~これ。4羽の白鳥を踊ったダンサーをそのまま舞台に残し、お姉さんが出てきていろいろ解説するの。「バレリーナが着ているのはチュチュ、履いているのはトゥシューズ。」そんなこと小さな子どもだってわかりきってるわい!会場の子どもたちを立たせて足の1番と2番をやらせたりするのは、もう珍しくもないのでやめたらどうかしら。うちの子は「4羽の白鳥」がどれだけ大変な踊りかわかっているから、踊ったあと舞台に残したままで(ゼーゼー状態のままじっと立っていなくてはいけませんから)かわいそう!と言っていました。4羽の踊りはよく揃って立派なものでした。

「眠りの森の美女」よりローズ・アダージョ(イサエワ&4人の王子)
4人の王子の一人、第1王子というんですか、それがルダチェンコ。ほかにクリバエフ、パルハチョフ、シャニンと長身のダンサーを揃えていました。衣装が銀色の鎧みたいなみんな同じ衣装で、銀色のすごい兜を被っています。それで顔はよく見えず。まるでスーパー歌舞伎みたいだわ~。
オーロラ姫のイサエワはちょっと初々しい16歳には見えないけど、とても安定した見ごたえのある踊りでした。一人シャチホコにはびっくりした~!持ち上げているのはよく見えなかったけどルダちゃんではなかったような‥‥‥。

「ラ・シルフィード」よりパ・ド・ドゥ(バディナ&モトゾフ)
このアレクサンドラ・バディナがプリマで、先ほどのオーロラ姫のイサエワと、フリーギアを踊ったリュボムドロワが、プログラムに写真入で紹介されているところを見ると、
トップソリストといったところでしょうか。それからジェームズを踊ったモトゾフが男性では一番のようです。小柄ですが技術は確かだし、容姿も端麗。ただ、ジェームズというにはあまりに貴公子然としちゃっていて、村の若者じゃなかったなぁ。王子様みたいでした。

「ドン・キホーテ」(ステパノワ&プハチョフ)
待ってました~。ステパノワはお馴染みというだけでなく、やっぱりひときわ大輪の花という感じがします。キトリすっごく似合う~!気が強そうで、頼りになりそうで。プハチョフ(プハチョフです!)は何と果敢にもカツラなしでした~!バジルのヴァリエーション、さすがにカッコよく決まっていました。キトリのヴァリエーションは扇ありバージョン。細かい足捌きの見せ方もエレガントでとても素敵。後半の回転は一転してダイナミックでした。コーダは拍手と手拍子で盛り上がりました。去年大阪に行ったとき、「海賊」のグランフェッテで手拍子が起こったのに驚きましたが、あのときもステパノワでしたね。立川でも盛大な手拍子。まあ、田舎だからいいじゃないですか。楽しまにゃソンソンということで。

第2部
「くるみ割り人形」よりハイライト

これは短いながら「くるみ」のエッセンスが凝縮されていて面白かったです。衣装もよかったし、踊りの振り付けもよかった。もしかして去年見たキエフバレエの「くるみ」の2幕のひどい衣装、ダサい振り付けよりずっとよかったのではないでしょうか。プログラムの写真から、これはこのサンクトペテルブルク・アカデミー・バレエで普段上演しているものをそのまま縮小したものだということがわかります。人数も少なく、短縮版ながら、この全幕を見てみたいと思うほど楽しかったです。

というのも子役のマーシャのかわいいこと!10歳ぐらいの子でしょうか。まるで天使みたい。それに小さいのにびっくりするほどよく踊るのです。ドロッセルマイヤーは片目眼帯した怪しげなルダちゃん。へ~こういう役も似合うのね。ドロッセルマイヤーがつれてきた男の子がこれまたかわいいの。マーシャと男の子が仲良く踊って、まだ別れたくないのにドロッセルマイヤーは男の子を連れて帰ってしまう。別れ際にくるみ割り人形をマーシャに手渡し、その男の子があとでくるみ割り人形になって踊りだす。

そういえば何年かバレエを見ているけれど、ロシアの子どもが踊っているのを見るのは初めてでした。日本の子どもは発表会とか、外国バレエ団のエキストラでよく見てるのにね。でも、全然違うのですよ。何というか、小さいのにポールドブラというか、手がとてもきれい。日本の子は技術が先で表現が置き去りにされている感じがするけれど、もう技術より先に表現というものを叩き込まれたという感じがします。小さいのに表現することにかけてはプロなのです。この二人のかわいい子役を見るだけでも行く価値があるかもしれません。

スペインの踊りは4羽を踊ったダヴィドワと、スパルタクスのパルハチョフ。この人はスパルタクスのときは何だあれ?と思ったけれど、こういう踊りはとても合っているんですね。長身でとても見栄えがするし、カッコよかったです。

東洋の踊り(アラビア)というのは長いし単調なのでいつも退屈してしまうのですが、これは退屈せずに面白く見ました。フリーギアを踊ったリュボムドロワですが、先ほどの感じと全く違って、まるで「シェヘラザード」のゾベイダみたいな妖艶さです。クリバエフはまるでアリババと盗賊?か、「海賊」のビルバントという感じ。最初の「人形の精」では踊りでモトゾフに負けていましたが、こういう濃厚な感じの踊りはよかったです。

中国の踊りは小池沙織さんと小柄なモトゾフ。小池さんも小柄で、そんなに細い体型ではないけれどかわいらしい感じ。ここではモトゾフの繰り出すいろんな技に会場が沸きました。先ほどの王子様のようなジェームズはえっ?と思ったけれど、茶目っ気もあるこういう踊りはいいですね。技術ではこの人が一番だったと思います。

ロシアの踊り(トレパック)はシマコワとルダチェンコ。ルダちゃん、ドロッセルマイヤーでもちょっと踊ったけれど相変わらず足音がドタンバタンだわ‥‥。でもトレパックではカッコよくはじけていました。スタイルいいし顔も王子様なので新天地でぜひとも頑張ってほしいです。

フランスの踊り(葦笛)はパニエで横に膨らませたドレスを着たプリマのバディナ。二人の子役と一緒にリボンを使って踊ります。先ほどのマーシャはかわいい猫ちゃん(羊?だと娘は言う。でもしぐさはどう見ても猫)になっていました。しかしこの子達、堂々とものおじせずよく踊るな~。

最後の金平糖の精のグラン・パはステパノワ&プハチョフ。プハチョフはやっぱりカツラなしで挑みました。さすがにバジルより王子様のほうが板についています。手足が長く、ジャンプしても回っても優雅です。反対にステパノワはキトリのほうがいい!繊細な動きの金平糖のヴァリエーションはちょっと窮屈そうで、細かいミスもあり、彼女には合ってなかったかなと。逆にコーダで大きな動きになると本領発揮ですばらしかった。こんなに個性の違うご夫婦ってどうでしょうね~。でも、息はぴったり。結構派手なリフトがたくさんあったので、そのたびに会場が沸きました。子供が見ても他の踊りと難易度が断然上というのがわかりますから、拍手も一段と大きかったです。

コーダは全員出演。こんな少ない人数でやってたんだ~。何か去年までのレニ国の若手の方々はちょっと素人っぽいところがあったけど、ここの皆さんはみんなしっかりした芸人、というかプロ。子役まで立派なプロですから。そういう意味ではまた違った味わいの楽しい公演でした。

終演後、外には出演者用の大型バスが止まっていました。昼間だし、去年娘と写真を撮ってくれたルダちゃんや、快くサインをしてくれたステパノワやプハチョフにもちらっとでいいから会えないかなと、とっても出待ちしたかったけれど、すぐ娘の発表会のリハーサルに行かなければならず、時間に追われて泣く泣く会場を後にしました。

チケットのお値段のわりにはすごく満足のいく公演ですので、近くに来るので見ようかなと思っている方にはぜひおすすめします。ただし、観客の半分は幼児ということがガマンできる人に。。。7月末からはステパノワ&プハチョフにかわって、チラシのとおりペレン&シェミウノフが出演します。

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コメント

キャー、これ、私も見に行きましたよ。
ほとんどが親子連れの中、1人で。
いかにもバレエやってそうな子がいるのかなあと思ったら、
これから始めさせたいお母さんが子供を洗脳しに(?)、
連れてきている様でもありました。

くりみ割りの子役の子、かわいかったですねー。
私も『葦笛の踊り』は羊かと思いました。
羊飼いと子羊、というシチュエーションなのかなあと。
あとトレパックを踊った方は大人の方なんですか?
上手いけど凄く小柄で華奢に見えたので、15~6歳位の
子が踊っているのかと思いました。

お姉さんの解説は不要でしたが、席が前のほうだったので、
とても迫力があってよかったです。

投稿: ゆるり | 2008年7月25日 (金) 21時47分

ゆるりさん、こんにちは。

ゆるりさんもごらんになったのですか。
大人のお一人様はちょっと気が引けますが、なかなか楽しい公演でしたよね。

日本のバレエ団の公演などは(先生が出演されるので、チケットの割り当てがあるのか)いかにもバレエをやっていそうな、頭をきれいにお団子にしたスリムなミニ・バレリーナたちがいっぱい見に来ていますが、この「親子バレエまつり」はもっと小さい子ばかりですね。

去年は中野で見たのですが、4歳からというのに、どう見てもまだ3歳以下だろう?‥‥という子までいました。
同じバレエを習わせるにしても、最初にこういうきれいな舞台を見せるのは、自分がやっていることのイメージがつかめてとてもいいと思います。

私も最初子どものやっているのを見て、脚を曲げたり伸ばしたり(プリエ)前に出したり横に出したり(タンデュ)するだけなんて、一体これが何に結びつくのかわからなくて、これは本物を見なくちゃダメだ‥‥と思い、見始めたら親のほうがはまってしまったのです

くるみ割り人形に出てきた二人の子、かわいかったですね。
とても舞台慣れしているなと思ったら、プログラムの写真にも出ていたので、普段も舞台に出ている立派なプロなんだな~と。
猫にしては耳がたれてるとうちの子は指摘していたのですが(スコティッシュ・フォールドよ!)やっぱり羊でしたかトレパックの子、若そうに見えましたが、私はルダチェンコが気になってよく見ていませんでした

お姉さんの解説は、いちいち変な間があくのが気になりました。小さな子ども相手にはあのくらいのペースでやらないといけないのでしょうか?大人はちょっとシラケますけど~。

オーケストラボックスがない分、前のほうだと本当に手が届きそうな感じで迫力がありましたね。

投稿: 友香梨 | 2008年7月28日 (月) 10時30分

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