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2008年7月17日 (木)

ロイヤル「眠り」続き

昨日は、前回の記事を途中でいったん終わりにして、息子の学校へ三者面談に行きました。もう、担任との話はキレそうでした。何で今の時点で「目標、目標」とばかり言われるのかわからない。そりゃほかの子と違ってボケッとしている息子も悪いけどさ~!まるでノルマ、ノルマと責められる営業マンみたいだわ!私が高2のときはプロ野球や洋楽、歴史小説などにはまって、それぞれに仲間もいて楽しい真っ盛りだったと思うのに、進学校というのはこういうものかと悲しくなりました。ということでダメ息子とムカつく学校をよそに、最近ますます私は現実逃避で、趣味の世界に走りつつあります。危ない、危ないImgp5946

帰ってきたら、チケットぴあからのメールで、翌日からのABTの公演にアンヘル・コレーラが怪我で来日できなくなったことを伝えていました。それでニーナのお相手はホセ・カレーニョになったとのこと。カレーニョもすばらしいダンサーですが‥‥何と言ったらいいのでしょう。。どうせならもっと他の人がよかったなぁ‥。

では、昨日の面談で頭に血が上って書けなかったロイヤルの「眠り」の続きを。←のチラシはチケット売り出し当初のものです。これだけ見ると衣装もセットも何かすごく美しい、夢の中の世界のようで、本当に楽しみでした。でも、実際は照明がかなり暗めで、こんな感じではなかったな~。

プロローグ
オーロラ姫の誕生を祝う宮廷。見せ場は妖精のパ・ド・シスで、ここの妖精は「澄んだ泉の精」とか「森の草地の精」などという名前で、それぞれに男性の
「お付きの騎士」がついているのです。それなりにソリストたちがずらっと並んだところはゴージャスでした。衣装もレースやスパンコールを多用した、淡いパステルカラーの美しいもの。それぞれのチュチュに花が立体的に縫い付けてあるのですが、衣装と同じ淡い色なので何の花かはよくわかりません。

踊りはやっぱり例の小刻みなステップがかなり入っていて、「歌鳥の精」なんてもはや人間業ではありません。そう、ここまで速い細かい脚の動きは、人間ばなれした妖精があちこちちょこまかと飛び回るのを見るようで、それなりに表現的な意味があったんですね。(と一人で納得)

そこへ招かれなかったことに怒り狂ったカラボスが登場します。手下のかぶりもののネズミたちが暴れまわる。カラボスは女性なので、ちょっと線が細い感じ。デビ夫人ですか~?みたいな、結構エレガントなカラボスです。そのエレガントなカラボスが式典長のカツラをもぎ取り、さらに髪の毛までぺりぺりむしるのは、滑稽というよりかわいそうでした。イギリス人のユーモアって、日本人にはちょっといきすぎ?みたいに見えることがありますね~。

リラの精は今回プリンシパルに昇格したというローレン・カスバートソン。威厳はあまりないものの、思いっきりの笑顔がすごくかわいいリラの精です。妖精のトップの?力で、恐ろしいカラボスを退けようとしているのに、マイムの間もずっと同じ笑顔ですか~??みたいなところはあったけれど、その笑顔に安心感を覚えるリラの精でした。

第1幕
ワルツのあとのオーロラの登場。舞台下手に大きな階段のセットがあって、エキストラの貴族たちがたくさん居並ぶ中、階段の上から?と思ったのに、意表をついて階段の後ろから登場しました。オーロラはロベルタ・マルケス。あれっ?登場の瞬間のキラキラっとしたお姫様オーラがありません。16歳のオーロラがはちきれんばかりに飛び回るシーンも、どちらかというと男まさりのような、きりっとしたオーロラでした。とてもきれいな人なのですが、メイクがね~。何で真っ赤な口紅なの~?!目の周りも黒の濃いアイラインがきつい感じでオーロラの雰囲気じゃないわ~。せめて口紅ピンクで、ナチュラルメイクにしてほしかった。

しかし‥‥王様とお后様の背がすごーく高いので、小柄なマルケスが並んだらまるで小学生のよう。(?)ほかの人々の間にいるとさほど小柄な感じはしないのですが、この辺の縮尺?がわからない 全体的に体型も身長もどちらかというと日本人に近い感じの人が多くて、ロシアバレエのように高身長の人はいません。その中でもマルケスはちょっと小柄に見えます。そのくせかなりたくましい脚なので、決してスタイルいいとは言えない‥‥。だけどさすがはプリンシパル。ローズアダージョは安定感もあり、安心して見ていられました。アチチュードのキープもよくこなしていましたし、技術的には優れた人なんだなと思いました。

4人の王子に求婚されて、オーロラが幸せいっぱいに踊っているところへ、マントで身を隠したカラボスが糸つむぎの針を持って現われます。オーロラがカラボスから針をもらうと、周囲のあわてぶりもよそに、好奇心のままそれを持って踊るうち、手に針を刺してしまいます。倒れるオーロラ。嘆く人々。そこへリラの精が現われます。本当にこの場面の音楽はドラマチックですよね。リラの精が一同に心配しなくてもいいと告げ、皆を安心させてから魔法をかけていきます。人々が眠りにつき、何枚もの幕が下りてきて次第に城を覆っていくのです。

第2幕
あれから100年たったのか?衣装の雰囲気も違う別の国?森の中に狩に来た一行が、王子を囲んで乾杯したりしています。王子はヨハン・コボー。わ~、やっと知っている人が現われたわ。前にスタダンの「くるみ」や「ジゼル」で吉田都さんとともにゲストで踊るのを見たことがありますが、昔のことだし、あまり印象になくて初めてのようなものでした。こちらもずいぶんと大人びた王子様で‥‥でもさすがに他の人とはちがうノーブルさを持っています。そんなに背は高くなさそうですが、歩く姿から立ち姿までいかにも王子様という感じ。森で遊ぶお付きの人々とは違い、王子は
一人浮かない表情。どうして泣いているのですか?というマイムに、ほっといてくれみたいなマイム。お付きの人々が去ったあとでも、一人憂い顔で森に残る王子。これから何が起こるのでしょう?まるで「白鳥の湖」みたいだわ~。

そこへリラの精が現われ、王子の心の中を写すように、眠っているオーロラ姫の幻影を見せるのです。王子はここしばらくの憂鬱の原因がわかったように、リラの精にオーロラに会わせてくれるよう懇願します。そして現われたオーロラの幻影。ここは、幻想的で好きな場面。夢みるように伏目がちに踊るオーロラと森の精‥‥のはずですが、オーロラはなぜかとても悲しげな顔をしています。まるで「お願い!早く助けに来て」というような、せつなげな顔。まあ、このほうがわかりやすいといえばわかりやすいけどね~。王子はいてもたってもいられずオーロラを追いますが、追いつきそうになるとリラの精が間に入ったり、森の精にとめられてしまいます。

そして、ゴンドラに乗って、オーロラが眠る城へ‥‥。1幕の最後に出てきた、生い茂る植物を表す幕の間を縫って、低く流れるスモークの中、ゴンドラは蛇行しながら前方に進んできます。この場面は単に王子とリラの精がゴンドラに乗って周囲を眺めるだけなのですが、音楽の美しさと、絵のような情景の美しさで十分間がもつのですね。間奏曲はなく、ゴンドラを降りるともう100年前のオーロラが眠る城。

カラボスが現われるのですが、王子は剣を持っていません。どうするのかな?と思っていたら、王子は戦わず(何でよ!)リラの精がカラボスを追い返してしまいます。カラボスはオーロラの眠るベッドに何か確認するようなしぐさをしてから、ベッドの裏の窓のようなところに(鏡?)隠れます。そこへ王子がやってきてオーロラにキスをすると、後ろの窓のカラボスが苦しみだして、鏡にひびが入ってカラボスは滅び、魔法は解けました。目覚めたオーロラと見つめあう王子。めでたしめでたし

第3幕
この間の休憩はなく、一度幕がしまってしばらくすると、華やかな結婚式の場面になります。貴族たちのほかにいろんな招待客が現われます。おなじみの猫や、狼と赤頭巾ちゃん、青い鳥とフロリナのほかに、踊らなかったけれど美女と野獣のようなカップルと、アラジン?のようなオリエンタルなカップルもおりました。ここが何とも童話というよりディズニーの世界のような感じでしたね。美女と野獣もアラジンも、ついでに何か踊ったらよかったのに。(!?)

金・銀・ダイヤモンドの踊りが、ここでは「フロレスタンの姉妹たち」というパ・ド・トロワになっていました。姉妹たちって、男性も一人いるんですけど。オーロラは一人っ子のはずだからおばさんたち?まさかね。このトロワの男性のセルゲイ・ポルニンが、すごく若くてかわいいの~踊りも伸び伸びとして品があり、次世代王子候補?という感じがします。ロシア人?思わずおばさん根性出して、オペラグラスで追っかけてしまいました。

猫はコケティッシュな表情も見ものなのに、仮面をつけてて残念でした。青い鳥はスティーブン・マックレー君のはずだったのよね~。残念。でも、ジョゼ・マルティンという人も踊りはダイナミックで魅せる踊りでした。やはりこの演目は男性の見せ場が少ないので、ここで一気に会場も盛り上がっていました。が、ビジュアル的にはどうもね~。メイクもパンクみたいだし、体型が‥‥フロリナのラウラ・モレーラもスタイルそんなによくないけど、かちっかちっと決まる正確な踊りでよかったです。

最後のグランパ・ド・ドゥは華やかで見ごたえがありました。コボーのサポートがうまいのか、高速ろくろまわし?これでもかというくらい回してました。3回連続のダイブもぴたっと決まり(何かいつも思うのだけれど、この上に向かって硬直した脚は一歩間違うと笑える要素だよね~)すばらしかったです。ただ、王子のヴァリエーションは、少し背中が硬くなってきたベテラン入った踊りかなと‥‥。最後、終わりそうになったところでまださらに音楽が続き、これでもかと回転するところ、ちょっとスタミナ切れみたいでしたしね。 お疲れさまでした。

照明が暗めで、セットの色合いも渋すぎて陰気臭かったけれど、衣装はどれも趣味がよくて、豪華で美しく、全体的には絵本のページをめくるようなとても楽しい舞台でした。でも、心を動かす感動というのか、そういうものは薄かったかな~。マイムを多用し、演劇的に進んでいくのですが、それは脇の人で、肝心の主役のオーロラと王子の間の物語というか、盛り上がりが見えてこなかった。まあもともとおとぎ話だし、登場人物が多く、華やかなだけのバレエといえばそうなのですが、せっかく憂い顔の王子や、一人ぼっちで眠り続ける悲しげなオーロラを登場させたのなら、そのあと目覚めてからのことがもっとドラマチックでもよかったと思うのに、そのへんはあっさりまとまっちゃっていましたね。

コジョカルとマックレー君は残念だったけど、知らない人ばかりのわりには楽しめた「初ロイヤル」でした。

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