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2008年11月29日 (土)

「オネーギン」初日

予定外だったのですが、シュツットガルトバレエ団「オネーギン」の初日、見てしまいました。前から買っていたチケットは最終日。だけど、この間めっちゃ愛らしく魅力的なアリシア・アマトリアンを見て、すっかりファンになってしまったので、彼女のタチアーナもぜひ見なくちゃと思って、思いきって東京文化会館に出かけました。

得チケが出ていたんですよね。まずそれで行く気になったのですが、見たらそれは29日(土)のみ。なあんだ‥‥でも、一旦行く気になった気持ちは抑えられませんsweat01得チケのご案内メールには「オペラ好きの方にもぜひ見ていただきたい」とか何とか書いてありました。「オネーギン」って、オペラの演目だったんだ~coldsweats01‥‥そんなこともよく知らない私です。

そういえば、きょうきたご案内メールで、東京バレエ団の「ザ・カブキ」の優待セット券(ペアでS席が半額になるもの)の宣伝文句には、「歌舞伎好きの方にもぜひ」とあって驚きました。いろんな売り方があるものです。でも、あれって歌舞伎好きの方が見て満足するものでしょうか?ベジャール食わず嫌いで見たことない私が言うことではないでしょうが、内容は忠臣蔵?かもしれないけれど、「ザ・カブキ」なんて小馬鹿にしたようなネーミングからして、一体何なんだ!?ほんとの歌舞伎好きが見たら金返せものだと思いますけどね‥‥ま、そんなことはどうでもいいか。

脱線しましたが、「オネーギン」です。同名のプーシキンの小説も、オペラも知りませんでしたが、ストーリーはとてもわかりやすく、そのまんまバレエとして楽しむことができました。まず音楽がとてもドラマティック。オペラの「オネーギン」からは1曲も取らずに、チャイコフスキーの他の作品の中からその場面に合ったものを取り上げてつなげているそうですが、ほとんど最初からそこにあったようにぴったりと物語の中にとけこみ、人物の心情や情景と見事に一致しているのに驚きました。

それから、アマトリアンはやっぱりいいわ~。この間あれだけキラキラ輝くようなオーロラ姫を踊った人が、最初は本当に内気でつまらない田舎の小娘なんですよ。幕が開いてすぐ、婚約者の決まった妹が母親たちとパーティドレスをあれこれしているときに、タチアーナはおしゃれなどには全く興味を示しそうになくて、ただ寝そべって本に夢中になっているような子なのです。それが恋を知ってからのかわいらしさ、初々しさといったら、本当に可憐~heart01また、そのあとの3幕ではガラッと変わって気品あふれる侯爵婦人になっているんですよ。演技も素晴らしかったし、踊りも、しなやかな肢体を存分に使った、軽くのびのびとした踊りに、もう釘付けでした。

容姿的には決して美貌じゃないんだけれど、持っている雰囲気がジュリー・ケントに近いものがあるよね~。アマトリアンは、ニーナ、ケント、マハリナに続いて、私の大好きなバレリーナの一人になりそうです。

レンスキー役のフリーデマン・フォーゲルも、ナイーヴで愛あふれる詩人そのものの透明感のある美青年ですよねheart04いや~、大分大人っぽくはなったけれど、以前にも増して王子様度がアップしていました。踊りも伸びやかで一点の曇りもない。こんな純粋で高潔でばかばかしく悲劇的な役がぴったりはまります。

この人、結構身長ある人じゃありませんでした?去年東京バレエ団の「白鳥の湖」で見た時は、まるで小人の国に紛れ込んだガリバーみたいにデカイ!と思ったけれど、このシュツットガルトバレエ団の中にいるとちっとも大きくない、普通の人です。それだけ大柄な人がそろっているということでしょうか。そういえば「眠れる森の美女」で、女性陣もかなり大きくてダイナミックな人が多いなと思っていたところです。

それからオネーギン役のイリ・イェリネクも、初めて見る人ながら、なかなかのハンサムで独特の存在感。タチアーナじゃないけどやっぱり思わずぼーっとなってしまうかもlovelyという感じでした。フォーゲル君よりも私は好みかもlovely プログラムによると彼は21歳の時からオネーギン役を踊っているぐらいの得意役なのだそうです。はたから見るとオネーギンってすごい悪い奴なんだけれど、3幕ではそれを悪い奴と感じさせないくらい、オネーギンの背負った苦悩や痛みを表現してせつない演技でしたheart01

題材はとても地味なのだけれど、すれ違う男女の想い、あこがれ、情熱、理性、道徳心など、誰もが多少なりとも経験するようなことにスポットを当てて、時の流れの中でこれをものすごくドラマティックな物語にしてしまう素晴らしさに、本当に感動してしまいました。バレエだけれど演劇的で、もうここでは軸がぐらついたとか、バランスがどうとかは重要じゃないのです。それよりもあちこちにちりばめられたパ・ド・ドゥで表される、お互いの心情のぶつかり合いやすれ違いが音楽と視覚両方からひしひしと伝わってきて圧巻でした。

もちろん踊りも、これでもかというくらい繰り返される難しいリフト、流れるような動き、しなやかな美しさ。そのどれもが素晴らしかったです。

明日また行きますhappy01

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2008年11月26日 (水)

ハイデ版「眠れる森の美女」2

Simgp6595 シュツットガルト・バレエ団「眠れる森の美女」の舞台の感想の続きです。

プロローグ
幕が開くと天井まで抜けるような青空、若葉が茂る木々、白い雲。そう、舞台は明るい光が降り注ぐ野外だったのです。中央の中庭を白い回廊がぐるっと取り巻いていて、城の外のテラスという感じ。オーロラ姫の命名式に貴族たちが集まってきますが、それがみんなブルーの濃淡の、絹ずれの音も軽やかな衣装。白い回廊にロイヤルブルーが映えてとても明るくすがすがしい感じがします。皆プラチナブロンドの鬘。下手にはオーロラ姫の白いゆりかご。王国にやっと訪れた春を楽しんでいるような人々でした。

そこへ妖精たちがやってきます。6人の妖精はそれぞれお付きの男性とバラの鉢植えを持った子供を従えていますが、それぞれお揃いの衣装でかわいい。妖精たちの衣装はオーガニックカラーとでもいうのかしら、赤は赤でもまだ赤くなりきらないトマトのような赤だったり、緑色も柔らかい若草色で、黄色も干し草のような黄色なのです。妖精たちはオーロラ姫にそれぞれの贈り物と一緒にバラの鉢植えを贈ります。妖精のパ・ド・シスはよく見る振り付けとはちょっと違うところもあったけれど、それぞれが優雅でかわいらしい踊りだったと思います。

そこへ招かれなかったことに腹を立てたカラボスがやってきます。黒いロングドレスに黒いマント、黒く長い髪を翻しながらダイナミックに飛ぶ、回る!男性というのはわかっていたけれど、すごく鮮烈で魅力的な悪役でした。カラボスはオーロラ姫に、16歳の誕生日に針が手に刺さって死ぬという呪いをかけます。驚き嘆く王様と王妃様。リラの精はカラボスを退け、オーロラ姫は眠るだけだと言って一同を安心させます。

一度幕が閉まりますが、幕が閉まり始めた時からまるで暗雲が垂れこめるように上から黒いカラボスの大きなマントが降りてきます。それは閉まった幕を覆い、カラボスはその黒い幕に隠れて虎視眈々とその後のオーロラ姫の成長の様子を窺っているのです。カラボスがマントを少しめくると、その裏には5歳ぐらいのオーロラ姫がお人形で遊んでいて、それをリラの精がやさしく守護している様子が現れます。またもう一方の側のマントをめくると、今度は10歳ぐらいに成長したオーロラ姫。幕外では静かに1幕への時間の経過が語られているのです。

第1幕 ~オーロラの誕生日~
再び幕が開くと、また同じ中庭の風景ですが、妖精たちから贈られたバラの木は16年の間に大きく成長し、白い回廊にはバラのつるが絡まり、たくさんの花が咲き誇っているまぶしいばかりの初夏の風景。オーロラ姫の友人たちは淡いクリーム色のドレス、ワルツを踊る男女は淡いグリーンを基調にした衣装。白地の部分にはかわいらしい小花模様があしらわれていて、男性は淡いピンクの布のベルトを巻いています。幸せに成長したオーロラ姫を祝うような一面のやさしいパステルカラー。このワルツはけっこう回転やジャンプがたくさん入っていて華やかですが、合わせるのが難しい感じの踊りでした。

そこへ4人の王子が求婚にやってきます。4人はみんな衣装が違って、中近東風だったり、トルコ風?だったり、して楽しい。

回廊の上から階段を下りてくるオーロラ姫。前回書いたとおり、アマトリアンのオーロラ姫は本当にラブリ~heart01淡いバラ色の衣装といい、この上なく優雅な雰囲気といい、はじけんばかりの若さというよりは、大事に育てられた深窓の姫君らしくシャイでつつましやかな感じがします。前述のとおりローズアダージョではちょっとヒヤッとしたけれど、ヴァリエーションは幸せいっぱいのお姫様そのものでした。振付が、プティパ調のガチガチのクラシックではなくて、動きと動きのつなぎが柔らかい感じになっているような気がしました。

続いて普通はお友達の踊りだけれど、その曲で4人の王子たちが踊ります。4人の王子は普通オーロラのサポートだけでほとんど踊らないけれど、ここでは一人一人の短いソロがあったり、4人でダイナミックにジャンプしたり回ったりして見ごたえがありました。

いつの間にか怪しげなマントを被った老女がやってきて、オーロラ姫に花束を渡します。これが全面パステルカラーの舞台の中にそれだけ浮き上がって見えるような真っ赤なバラの花束。オーロラ姫は珍しいものを喜ぶように花束を持って踊りますが、その中に仕込んだ針で手を刺してしまいます。とたんに不安な表情になって舞台を回り、倒れてしまうオーロラ。

ここでカラボスが現れるのですが、とたんに照明が、トンネルの中などによくある黄色のライトに変わって、バラの咲き乱れる明るい初夏のテラスが、一瞬にしてセピア色に色褪せた世界に変わってしまうのです。そしてカラボスだけに普通のライトが当たり、無彩色の中にカラボスだけが異様に存在感を放つという照明の妙!その色彩感覚に脱帽してしまいました。

そこへリラの精が現れ、みんなを眠らせます。回廊の正面奥に運ばれたオーロラ姫のまわりで人々は眠り、その上に妖精たちが白い薄布を幾重にもかけていきます。(まるで閉店後のお店のように‥?)そうやって人々は100年の眠りにつくのでした。

第2幕 ~狩りの場、幻を見るデジレ王子、オーロラの目覚め~
休憩後、幕が開くと‥‥何だ、同じ場所じゃない‥‥‥。同じ城の回廊に囲まれたテラス。しかし時間はずいぶんと経過したようで、回廊に絡まったバラの木は恐ろしく伸び放題に広がって、枯れたような色をしています。周りの木々も茶色く覆いかぶさって、まるで廃墟。秋の終わりのような荒涼とした感じがします。
そこに狩りにやってきた一行は、いきなり20世紀初頭?のような、簡素な服装。男性はオレンジの燕尾服、女性もシルクハットをかぶって、グレーベージュの長いフレアースカートのスーツ、ネクタイ姿。

王子のフィリップ・バランキエヴィッチは‥‥それなりに素敵だし踊りも悪くなかったと思うけれど、なぜかあまり覚えていないの。(ごめん!)この登場の瞬間はやっぱり夢見るような王子様であってほしいんだけど、狩りに連れまわされて疲れちゃったような王子でしたcoldsweats01王子が一人になった所でリラの精と妖精たちが登場します。妖精たちはひざ丈のスカート付きレオタードみたいな簡素な衣装で、色も淡い茶色地のすそに枯葉模様が描かれたようなかなり地味な感じ。

リラの精は王子にオーロラの幻影を見せます。枯れ木の中にひっそりと咲いているバラの花のような姫に王子は一目で恋におち、妖精たちの間に見え隠れするオーロラ姫を追っていきます。このあとが普通長くて、王子とリラの精がゴンドラに乗ってはるかかなたのオーロラの眠る城に向かう場面があったりしますが、ここの場所自体がオーロラが眠っているその場所だから、場面転換はいらないのです。場所はそのままで、時間軸だけが動いているという設定になっているのです。時折ライトの加減で回廊の正面奥の人々が眠っているところが見えるのですが、何と、かぶせた薄布の下に、じっと動かないけれどちゃんと人がいる!この2幕の間中、ずっとこの姿勢で動かないで控えていたのでしょうか?すごく大変そう!

カラボスが現れ、また一暴れ。今度は手下も大活躍。大きな黒いマントで王子をぐるぐると巻き付け、執拗に苦しめます。王子は情けないけどやられる一方。(もっと頑張れ!)王子がへたっているところをまたもリラの精に救われます。リラの精がカラボスの相手をしているうちに、王子はテラスの奥へ行き、オーロラを見つけます。こちらがリラの精とカラボスの戦いに気を取られているうちに、王子は奥から姫を抱き上げてきて、オーロラはめでたく100年の眠りから目覚めたのでした。

そのあとちょっとびっくりしたのが、眠りから覚めた王様、王妃様、式典長などが、まるで玉手箱を開けた浦島太郎のように、ぼうぼうの白髪頭だったこと!これは一体どういう意味なんでしょうね?100年の眠りのリアルさを追求?他の人もそうだったのかな?あんまり不思議だったのでついオペラグラスで追いかけて、ほかの人は見逃してしまいましたsweat01皆様、じっと我慢でお疲れ様でした!

第3幕 ~オーロラの結婚式~
ストーリーはここまでで、あとはお楽しみのディベルティスマン大会。これがまた楽しかった~。舞台はプロローグからずっと同じ場所。背景の枯れたような色の木々はそのままですが(紅葉?)夜の、たくさんのキャンドルや松明の明かりのような暖かい色調の光に照らされています。正面テラスの上には赤い垂れ幕がかかり、その前に玉座が置かれ、華やかな宴が始まるのです。

白髪頭になってしまった人々は皆元に戻り、今度は全体的に重厚で濃い色調の衣装を着ています。冬の暖炉の傍のような、そんな色合い。先の4人の王子たちも、衣装がちょっとグレードアップして登場。他にもいろいろな仮装をした人々が入ってきます。シンデレラ、ピエロ、白雪姫と小人たちなど、衣装を見ているだけでも楽しい。

その中でも最初の宝石の踊りが面白かったです。色鮮やかなショーガールのようないでたちのルビー、サファイア、エメラルド、アメジスト。そしてそれを束ねている虹色のハーレムパンツ姿の「アリ・ババ」。このアリババ役のアレクサンダー・ザイツェフがすごくかっこよくて(王子よりも!)もうぼーっと見入ってしまいました。踊りはダイナミックで、グランジュテなどは浮き上がったまま静止しているよう。こんな人がいたんだ~素敵でしたheart01

長靴をはいた猫と白い猫はとてもユーモラス。白猫が長靴猫の頭をバシっと音がするくらい本気で叩いているの。時折笑いも起こって楽しかったです。青い鳥のグラン・パはヒョー=チャン・カン(東洋系の顔立ちの人)とアレクサンダー・ジョーンズ。ジョーンズのほうはソリストですが、ヒョー=チャン・カンはプログラムに写真が載っていないのであれ?と思ったら準ソリスト。(そういえばリラの精のミリアム・カセロヴァは何とコールドバレエの人です。大抜擢だったんでしょうね。)赤ずきんちゃんはちょっと年のいった赤ずきんちゃん?オオカミはかぶりものではなく、メイクでした。

そしていよいよオーロラと王子のグラン・パ・ド・ドゥ。白地に花模様のとっても可愛いペアルックの衣装なのですが、王子の似合わなさ加減といったら‥‥bearing というのも、バランキエヴィッチという人はいわゆる純粋な「白王子」ではなくて、ほかの回ではカラボスを踊っているくらいの人なので、こういうばかばかしいほどかわいらしい衣装はまるで似合わないの。

一方アマトリアンのほうは、幅広い演技ができる(たぶん)人ながら、古典のお姫様としても本当に可憐で愛らしいのです。アダージョは3回のフィッシュダイブがある華やかなヴァージョン。最初不調のようだったアマトリアンが心配でしたが、見事踊りきりました。ほんとに、速い回転のあとでも何事もなかったようにふわっと優雅なフィニッシュを決めたり、その音のとりかた、腕や手先の使い方などが美しくて見とれてしまいました。

カラボスは、この版では滅ぼされたのではなく、最後までちゃんと共存しています。予言を実現することができずに、くやしそうに回廊の上からこのフィナーレを見つめていますが、人々の幸せな顔、愛の力には勝つことができずに去っていくのでした。

以上、何か今回は舞台や衣装のことばかりになってしまいましたね。とにかく色彩が淡いパステルカラーから濃い重厚な色調まで順々に変わって、まるでマジックのようでした。場所はずっと同じ場所で変わらないのに、時間軸の経過に従って変化していく衣装やその場の様子。そういう趣向がとても面白かったです。

踊りは全体的に、プティパの元振付を柔らかくしたような感じに見えました。踊りもまた時の流れとともに変わっていき、最初の妖精たちの踊りは古いおっとりとした時代を表わすように簡素で優雅なのですが、3幕の宝石になるととても複雑で早いステップが入って、まるでショーダンスのよう。そんな変化も楽しむことができました。

普通の「眠れる森の美女」は、青い鳥と王子ぐらいしか男性の踊りの見せ場はありませんが、このハイデ版では最初の4人の王子もそれぞれソロの踊りがあるし、とにかくカラボスの跳ぶわ回るわの大活躍がすごかった~。さらに3幕では「アリ・ババ」のダイナミックな踊りもあり、男性の踊りがとても見ごたえがあって楽しかったです。

また、カラボスを女性とし、それを男性が踊る設定は「歌舞伎をヒントにした」とありましたが、歌舞伎の影響があるとしたら「女形」というよりも「悪」の扱い方ではなかったでしょうか?歌舞伎では得てして正義よりも「悪」がかっこいい。歌舞伎は庶民のものですから、「悪」は権力への対抗として扱われ、「悪」の美まで存在するわけです。

カラボスは「悪の美」とまではいかないまでも、エネルギッシュな「悪」のパワーを表現して、リラの精たち「善の妖精」に対抗しています。そうすることで甘いおとぎ話の世界を、ちょっとドキドキする一味違ったものに変えていますよね。この夏に見たABTの「白鳥の湖」のロットバルトのように、バレエに「美しい悪」が存在するのもまた魅力的なのではないでしょうか。(こういう感覚はキリスト教世界にはあまりなかったのかな?)とにかく、よかった~heart04また機会があればぜひ見てみたいと思える「眠れる森の美女」でした。

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2008年11月24日 (月)

ハイデ版「眠れる森の美女」

シュツットガルトバレエ団の「眠れる森の美女」初日のソワレを見てきました。シュツットガルトバレエ団は2002年に来日した時に、私は「ロミオとジュリエット」を見ています。そのあと、2005年にも来日して今回が8度目の来日だそうです。

2002年の時はマラーホフがプリンシパルを務めていたので、とにかく彼のロミオだけが目当てだったのです。だからその時のジュリエットも、ほかのキャストも全然覚えてないのだけれど、キャピュレット夫人だけは、なぜかめちゃくちゃ濃い演技で目立ちまくっていたので(一体何者?)よく覚えていて、あとでそれが振付家ジョン・クランコのミューズであり、「女優」バレリーナとしてこのバレエ団の一時代を築いたマリシア・ハイデその人だったことを知りました。この「眠れる森の美女」は、そのマリシア・ハイデがシュツットガルトバレエ団の芸術監督時代に改訂・振付を手掛けたものだそうです。

どうせ知らない人ばっかりだろうから、唯一知っているフリーデマン・フォーゲルを見ようかなと思ったけれど、もう一人いましたね。去年のフェリ引退公演で鮮烈な印象を残したアリシア・アマトリアン。あのときの驚異的な踊り(フォーサイスの「‥」何だっけ?)にぶったまげてしまった人も多いのでは?そのアマトリアンが今度は古典中の古典のオーロラ姫を踊るなんて!それには甘いマスクのフォーゲル君よりもずっと興味をそそられてしまいました。

でも、正直言って昨日のアリシア・アマトリアンは絶不調だったと思います。登場してすぐのローズ・アダージョで、バランスの時に王子に支えられた手がぶるぶる震えてなかなか離すことができなかったり、バランスの時間が極端に短かったりしたときは、バランス系が苦手なのかな?と思ったけれど、さすがにポワントが落ちてしまったときには不調なんだとわかりました。この人がどれだけ踊れる人かわかっていますから‥‥。それでも何という優雅さ、かわいらしさなんだろう!heart01コンテやおふざけの「ザ・グランパ・ド・ドゥ」を見たときには思いもしなかった彼女のこんな可憐な一面。私、この人好きだ~heart04

手先、腕の使い方がとても美しい。踊りが音楽的で緩急の付け方が絶妙。表情が生き生きしていてとても魅力的。不調ということを差し引いても姫としてのキラメキは失っていない。多分それほど「若手」でもないと思うけれど、とにかくかわいくて、素敵で、もうすっかり彼女のオーロラ姫に魅せられてしまいました。

それと、どうなっているのよ?という身体。アラベスクやアチチュードのときの足先が一体どっち向いてるの?完璧以上のアンドォールのせい?ファンシェのときもかる~く180度以上いっちゃっているし。ありえない~!このありえなさ加減がクラシカルな雰囲気をちょっと崩しているのかな?などと一人つぶやきながら楽しんでいました。私はどっちかというと人物の心情だとか、物語の流れを楽しむのが主なんだけれど、珍しく彼女一人を注視してしまいました。よく「元気をもらった」とかっていう、私はそういう言い方は好きじゃないけれど、ほんとに昨日は超ラブリーheart01な彼女を見て幸せな気分に浸ってしまいました。

全体的にもとてもよかったです。カラボスがもう一方の主役というくらいの活躍ぶり。女性役なのですが、それを男性のダンサーが演じています。それもおばあさんとかではなくて、とても妖艶でダイナミックで、魅力的なカラボス。プログラムによると歌舞伎の女形からヒントを得たとありますが、歌舞伎の女形は本物の女性以上に女性らしさを追求するものですが、これはたぶん女性には表現できない強い魔力、線の太さ、エネルギッシュなところを男性に表現させているのだと思います。

歌舞伎の影響といえば、不気味なカラボスの手下は月代(さかやき)を剃った頭の髷がばらけたような落武者風だし、黒い幕を上からたらしそれを浅葱幕のようにいっぺんに落とすとやり方も(落とした後はただの白い幕だったので場面転換の意味はないけど)歌舞伎からとったのかな?と思うようなところがありました。

王子のフィリップ・バランキエヴィッチは、悪くはなかったけれど印象薄。それよりも3幕の「アリ・ババ」という、宝石の踊りを引き連れた「海賊」のアリ風のキャラクターを踊ったアレクサンダー・ザイツェフがものすごく印象に残りました。プロフィールを見ると彼は既にベテランに属すると思いますが、驚くほど若々しくて、ちょっと乱暴なくらいダイナミック。ぼーっとするほどかっこよかったですheart04もっともっと見ていたかった!来週見る予定の「オネーギン」にも彼がレンスキー役にキャスティングされているので、また見られるlovely 今からとても楽しみになりました。

舞台美術も衣装も、いろいろ趣向が凝らしてありました。この間の「アラジン」のような突っ込みどころははく、手放しで楽しんでしまいました。しばらくこの幸せな余韻に浸っていたいので、細かい舞台の様子はまた次回に。

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2008年11月21日 (金)

冬シーズン始まり!

発表会以外では久々のバレエ鑑賞、私にとっては冬シーズン(そんなに大げさなものではないけど‥)の幕開けとなる新国立劇場のデヴィッド・ビントレー振付の「アラジン」を見てきました。Imgp6592

デヴィッド・ビントレー氏は現バーミンガム・ロイヤル・バレエの芸術監督で、新国立劇場には2005年に「カルミナ・ブラーナ」を振り付けていて、次期新国の芸術監督に就任することになっている人だそうです。今年1月に彼の作品であるバーミンガム・ロイヤル・バレエの「美女と野獣」を見て、メチャメチャ感動しました。物語の構成といい、舞台転換の妙といい、バレエというより映画かミュージカルを見るような感覚で、とても新鮮でした。それで、ビントレー氏が「アラジン」を新国立劇場に振り付けると聞いたときから、ぜひ見たいと思っていたのです。

今回はゲストなしで、全日程新国のソリストが主役を務めるもの。私は今活躍する新国のダンサーはよく知らないので、9月にチャリティガラで見てよかった芳賀望さんの日を選んでみました。プリンセス役は8月にNHKで放映された「ラ・バヤデール」でガムザッティを踊っていた湯川麻美子さん。そしてランプの精ジーンは、私が唯一昔から見て知ってる吉本泰久さんでした。新作ということで目新しかったし、久々のバレエの舞台はとても楽しかったです。やっぱりバレエはいいなあ~heart01夢の世界だし、きれいだしね~。

1幕を見た時は本当に豪華で楽しくて、うわ~これってもしかして私の切望?する「スーパー歌舞伎的バレエ」かな~と思って、すごく興奮してしまいました。1幕の手の込んだセット、パネルが動いて居所変わりする早い展開など、本当にわくわくしました。だけど、2幕以降を見ると‥な~んだ、やっぱり新作ものによくあるシンプル路線か‥‥とちょっとがっかり。何だか1幕に頑張りすぎてあとの予算がなくなってしまったsweat01みたいな感じがします。

大体、街の市場のセットがあれだけ重厚なのに、それよりずっと豪華であるはずの宮殿が何であんなに抽象的で質素なんだろう??悪者にさらわれたお姫様が幽閉されているところもホントにただの檻の中みたいな感じでした。あれだって魔法に任せて思いっきり豪華な場所にしたっていいんだしね~。

構成も、1幕に一番の見せ場が集中して、2幕3幕が尻すぼみ。そう思えるほど1幕の洞窟の中で繰り広げられる宝石の踊りは見どころ満載で楽しいものでした。新国ダンサー総出演の華麗さ、さまざまなスタイルの踊り、衣装もみんな素敵だったし。でも、この物語を考えるとクライマックスはやっぱりさらわれたプリンセスを奪回しに行く冒険の部分だと思うのです。それからプリンセスを助け出して魔法の絨毯で世界をめぐりながら帰ってくるところ。ディズニーのアニメならここで「ホール・ニュー・ワールド」を歌ってがーっと盛り上がるんだよね~note見~せてあげよう~輝く世界~note‥‥なのに、1幕の盛りだくさんさに比べ、そこがほとんど筋を追っているだけだったのが残念でした。

「アラジン」というと目に浮かぶのは、私はやっぱりディズニーより子供のころうちにあった「アラジンと魔法のランプ」の絵本です。本来アラジンは子供。怪しい男に洞窟に連れて行かれ、ランプを取ってこいと命じられるのも、入口が狭くて大人では入れないから。マンホールの穴のようなところから地下に下りていくと、もうまわりじゅうが金銀宝石の目にもまばゆい世界なんだよね~。それが子供心に一番印象に残る絵でした。だからここに一番の踊りの山場を持ってきたのはわからなくもないのです。アラジンは夢中で宝石をポケットに詰め込む。その宝石の世界をあれだけのディベルティスマンにつくりあげているのは素晴らしいことだけれど、お話としてはあそこはほんのプロローグでしょ。

ビントレーさんは私と同じような絵本を見て育っている?のか、あの洞窟の階段を上ったところの丸い出口なんかはへえ~っと思いました。絵本では丸いマンホールのようなところから見下ろす悪者が「先にランプを渡せ」というの。手を出してまず自分を引っ張り上げてくれなきゃ出られないのに、目的のランプだけ渡せというから不安になってアラジンは渡さないのです。それで怒って入口の重い石のふたを閉めちゃう。(短気だなあ)ここは子供心にすごく不安な場面でしたが‥‥ここでは不安もそこそこにあっという間にランプの精が出てきて「今の何?」と思っているうちに次の場面へ。

初演ということもあって、休憩時間に聞こえてくる周りの人の話だと、ストーリーが全然わからないらしい人が意外に多そうだったけれど、中でも「え~?あの人がアラジンのお母さんだったの?」という声があったのにはちょっと頷けました。1幕の最後でお母さんが心配そうにしているところへアラジンが突然ランプと一緒に戻ってくるんだけれど、その場面のお母さんがまるっきり中国風で貧相なんですよ。中国のお母さんのイメージってこんな終戦直後、いや文革時代みたいな感じなの??(あとで王様と仲良くしてるのも貧相なだけにすごく変!)

プログラムによると、西洋ではアラジンは中国人という設定になっているらしいのです。アラビアのお話なのに中国人?というのはよくわからないけれど、西欧圏の人々にとっては中国もアラブも一緒くたで全然平気なんでしょうかね~。そういえばランプの精ジーンは変な辮髪頭(でも衣装はアラビア風)だし、お祝いのシーンでは獅子や龍が登場しちゃうし、何よりアラビア風?の街で、アラジン親子だけが中国人っていうのはおかしいよね。西洋人にはどうでもいいただのエキゾチック趣味かもしれないけれど、東洋人にはかなり違和感があると思います。

それに~。みんな一緒に踊るときの「いかにもアラビア」「いかにも中国」風の振りはまるで盆踊り並みで勘弁してほしかった。これが西洋人ビントレーさんのイメージする「東洋」なのかと思うとちょっと悲しいsweat02

本来西洋のものであるバレエを日本人が踊ることへの違和感というのは、私は大昔、高校の芸術鑑賞会か何かで松山バレエ団を見たとき以来のものがあったけれど、最近では日本にも身体的技術的に全然引けを取らないバレリーナたちが多数出てきていますよね。この新国の舞台を見ても、レベルは全然外国のバレエ団に劣ることはないと思います。

でもやっぱり今後日本のバレエ団が世界に出ていくときには、同じ「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」で勝負するよりは、こういった東洋的な作品が代表的な演目として求められていくのかなと思います。そういう意味ではこの「アラジン」も、新国立劇場の代表作としても恥ずかしくないような充実を今後図っていってほしい、かな?(偉そうにこんなこと書いてすみませんsweat02脱線しましたが、それがとりあえずの印象です。

芳賀さんは期待どおり元気なやんちゃ坊主みたいで、動きも軽やかで群を抜いていました。演技もコミカルで何だかかわいいlovely 芳賀さんの日にしてよかった~。ただ、プリンセスとの間にもっと「愛」がほしいよね~。何かその辺が残念。こういうところの表現はきっと山本さんがよかったのではないかと思います。

湯川さんは踊りはしっかりしているし、姫としての威厳や優雅さもあるんだけれど、この場合アラジンが子供みたいだから、どうしても年上っぽく見えちゃうんだよね。市場でのぞき見られても、入浴シーンに乱入されても、「無礼者!」って言わずにお茶目な好奇心でアラジンに惹かれていくようなあどけないお姫様のはずなのに、そんな感じは(すみません)しませんでした。このお姫様、何でガキ臭いアラジンのことなんか好きになったの??やっぱりちょっと「愛」が足りなかった。

それと、ジャファーじゃなかった(それはディズニー)、ここでは魔術師マグリブ人というのだけれど、そいつにさらわれて、飲み物にしびれ薬を入れたりするところも、何でもっとセクシーに、いかにもマグリブ人を惑わすようにやってくれないのか。あの場面の衣装は「シェヘラザード」風セクシー路線の衣装だったから、もっと濃厚な演技をしてくれるのかと思ったけれど、意外なあっさり目。相手の超濃厚なマイレンと、ここはたっぷり見せ場をつくってほしかったような‥‥。そもそも振り付け自体があっさりで、何もなかったから仕方ないですね。そういうところのメリハリがなくてただのきれいなお姫様だったのがちょっと不満。

ランプの精ジーンの吉本さんはベテランの域ながらシャープでエネルギッシュでもう見せる見せる!うれしくなってしまいました。ただ‥‥あのいでたちが何ともひどい。顔も体も青黒くてつるっぱげの辮髪。でっかいイヤリング。そしてメイクがまたもうちょっと何とかならなかったのか。眉毛が細くて上がりすぎで赤いおちょぼ口も変!眉や口が細く薄いのは冷徹な感じがするものです。無表情な怖い顔にしか見えませんでした。もっと鷹揚で包容力のあるキャラクターとしての味を出してもよかったのではないかと思います。ただただ超人的なだけで、物語の中の存在としてはつまらなかった。踊りが最高だっただけに残念です。

仕掛けもいろいろあったけれど、突然ジーンが現れても、歌舞伎を見ている人にはちっともすごくないありふれた仕掛け。最も盛り上がるはずの空飛ぶ絨毯のところもショボさに泣けてきました。猿之助ならここで確実に宙乗りいくだろうなあ~。二人で馬に乗って宙乗りなんていうのもお手のものの猿之助歌舞伎なら、絨毯に乗った宙乗りだって絶対いけるよね。盛り上がるだろうな~heart04なんてありもしない話は置いておいて。ジーンが空を飛ぶワイヤーアクションはあったけれど、「飛ぶ」んじゃなくて「上下する」だけで。。東京バレエ団の「シルフィード」とかのように派手に飛ばせばいいものを。

欲を言えば最後にジーンの見せ場がほしかった。こんなに幸せなんだからもう魔法の力はいらないよとばかりに、アラジンがジーンにランプを返すシーン。もうランプの中に押し込められなくてもいい。誰の奴隷でもなくなった自由。そんな自由の喜びを思いっきりの魔法で最後に見せてくれたら大いに盛り上がったんだけどなあ~なんて、私って妄想癖がひどいですね。

何だか文句ばかりになってしまいましたが、それだけ久々のバレエを堪能したというわけですsweat01そういう意味ではとても面白かった。やっぱり細やかな感情表現とかを期待する作品ではなく、「海賊」みたいにスリルとサスペンス、華やかで盛りだくさんの踊り、多彩なダンサーたちを見せるタイプのバレエなんですよね。それはそれで楽しくてよかったと思います。

でも、「美女と野獣」で、バレエシーンらしいバレエシーンがないままお芝居的に淡々と進んで、最後の最後で爆発的なほど愛にあふれる美しいパ・ド・ドゥを見せてくれた涙ちょちょぎれるほどの感動に比べたら、踊り満載で華やかではあるけれど、やっぱり「感動」というのとは違う、視覚的な楽しさ面白さ珍しさ。そういう作品だったと思います。

あとで、子供が小さいときに買ったディズニーのビデオがあったので、ちょっと見てみました。(何てヒマ人なんだ‥)確認したら、「ホールニューワールド」を歌いながら世界各地を巡るところはプリンセスがさらわれる前でしたsweat01このバレエでは絨毯に乗るのは帰ってくるときですけど。いい加減なことを書いてどうもすみませんでした。

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2008年11月18日 (火)

フレッシュな「先代萩」

Simgp6563_2 新橋演舞場の花形歌舞伎を見てきました。

その前に、歌舞伎座の前を通りかかると、夕刻になってうっすらとライトに浮かび上がった歌舞伎座のきれいなこと。ちょっと前まではチンケな建物だと思っていたけれど、いや、なかなか重厚で味があっていいものです。思わず立ち止まって写真を撮ってしまいました。これがあと1年半で見られなくなると思うと本当に残念です。

今週半ばの新国の「アラジン」から、いよいよ楽しみにしていた私の冬のバレエシーズン(?)が始まるのですが、今月は歌舞伎で見たいものがたくさんあって困りました。

この間見た歌舞伎座の昼の部の「盟三五大切」はすごく面白かったし、浅草では平成中村座の「法界坊」、国立劇場では江戸川乱歩の「人間豹」の江戸時代版?を上演していて、本当にどれを見ようか迷ってしまいます。これからバレエが始まるからそんなに見れないのが悲しい‥weepSimgp6560_2

新橋演舞場では昼の「伊勢音頭」も見たかったけれど、やっぱり夜の部の「伽羅先代萩」にしました。というのも、一昨年に歌舞伎座で見た「伽羅先代萩」は團十郎の仁木弾正、菊五郎の政岡。それが、今回のは海老蔵の仁木弾正に菊之助の政岡なのです。ほかもみな若手揃いで、初役の人ばかり。一昨年の「先代萩」と上演する場面は同じだけれど、配役が一世代下ということで、興味を持って見に行きました。

こちらは新橋演舞場。上のほうは何になっているかわからないけれど、歌舞伎座もそのうちこんなそっけない複合施設のビルになってしまうのでしょうか?何だか淋しい気がします。Simgp6566_2

予想通りとてもフレッシュな舞台でした。観客も海老蔵目当て?か若い女性が多くてびっくり。歌舞伎って、ひどい時には周りを見渡すとじいさんばあさん(いや、おしゃれなおばさま方とかcoldsweats01)ばっかりで、もしかしてこの席あたりでは私が一番若い?なんてこともあるけれど、今回の花形歌舞伎はぐっと観客の年齢層が下がってましたね。私の両隣りはどちらも母子連れでした。親子で歌舞伎なんてうらやましいです。

序幕(鎌倉花水橋の場)
お家騒動の渦中にある殿様でありながら、伽羅でつくった下駄をはき、豪華ないでたちで廓通いする頼兼公。賊に襲われ駕籠かきはみな逃げてしまっても、恐れることなく扇子一本で優雅に賊をあしらいます。刺客たちのコミカルな動きも見もの。そこへお抱え力士の絹川谷蔵が現れ、素手でばったばったとやっつける気持ちの良いたちまわり。全体のストーリーには関係なさそうだけれど、この、ここだけしか出てこない廓通いの殿様が物語のそもそもの原因なのです。

この殿様が遊び呆けて幕府に隠居を命じられている一方で、奥向きでは家督を継いだ若君を守ろうと必死の攻防が繰り広げられ、はたまたお家を乗っ取りから守るため一身を投げ打って幕府に訴え出た忠臣の物語があり‥‥だけど当の殿様はそんなのどこ吹く風で、こんなふうにひたすら鷹揚なのでございました。

絹川谷蔵もここしか出てこないキャラ。力士ということで手足に肉を着てるんだけど、それがしわしわなのが気になりました。いまどきストレッチ素材だってあるだろうに‥‥これはリアルさなどを追及しないのだろうか‥‥‥?歌舞伎ってリアルなところは馬鹿リアルで、様式的なところは変に様式的で、基準がよくわからない??

二幕(足利家竹の間の場)
若君の暗殺を恐れ、乳母の政岡は「若君は病気」と称し、男性と会うのを嫌い、食事もとらなということにしています。食事は御殿の中で政岡が自らつくっているのです。その病気見舞いのため仁木弾正の妹八汐と、沖の井、松島の三人がやってきます。

八汐は悪者というのが見え見え。医者を連れてきて脈をみせようとしたり、賊をわざと天井に潜ませて、それをつかまえて「政岡に頼まれた」などと言わせたり、その一寸の油断もならない状況にひたすら耐え続ける政岡。

この政岡役の菊之助さんがすごくきれいなのshine。とても大変な役だけれど、やっぱり若君の乳母なんだから30前ぐらいの歳のはずだよね~。政岡ってひたすら強いオバサンという感じがしてたけれど、本来はこんなふうに若さとけなげさ、必死さがみえてもいいのだと思います。きれいで、けなげで、一生懸命で、つい「がんばれ!」って応援したくなっちゃう。だから門之助さんの沖の井が正義の味方っぽくて、観客の気持ちを代弁しているようでとてもよかったです。

三幕(足利家御殿の場~床下の場)
やっとのことで奥に下がったら、今度は栄御前の来訪で息つく暇もない政岡。栄御前は菓子を持参し、なぜ食べないのかと責めるのですが、そこへ奥から政岡の子千松が走り出て、毒入りの菓子を食べて菓子折をひっくり返してしまいます。とたんに毒に苦しむ千松。そのとき、毒が入っていたと悟られないよう、八汐が千松を捕えていきなり短刀を突き立てます。なんてひどい奴!

苦しむ千松を見ても、若君を守護したまま動じない政岡を見て、栄御前はこれは若君と自分の子を取り換えているのだと早合点し、お家乗っ取りの一味と見て、連判状を政岡に預けていくのです。

一同が去ったあとの政岡は、死んだ千松に駆け寄って抱き上げ、最初は気丈に、毒入りの菓子を食べて若君を守った千松をほめているのだけれど、だんだんと子を亡くした若い母親の嘆きに変わっていくのが圧巻。すごく泣けました。

そのあと八汐が現れて政岡に斬りかかるけれど、逆に政岡に討たれてしまいます。このときネズミが現れ、連判状をくわえていってしまうのです。

御殿がせりあがって居所変わりで床下の場へ。床下では荒獅子男之助が守護していたところへ大ネズミが現れたので、男之助は鉄扇で打ちすえますが、これは妖術でネズミに化けた仁木弾正でした。ここの場面、荒獅子男之助というのはここにしか出てこない人物で、ひたすら見得を切って「荒事」を見せるだけなんですよね。やっと登場した仁木弾正も、ひと言もセリフをしゃべらないまま不気味に引っ込むだけなんです‥‥。よくわからないけれど、仁木弾正の大悪人ぶりを無言のまま強調したような場面なんでしょうか。

猿之助さんの「伊達の十役」では、ここで長裃をさばきながら宙乗りするんですよね~。それというのも、この場面の演技は「雲の上を行くように」ということなのだそうです。それをホントに宙乗りで表現してしまうなんて、猿之助さんらしい。

さて、海老蔵の仁木弾正、目玉が飛び出さんばかりに目をむいた見得など、迫力万点なのですが、やりすぎのような?でも、花道を引っ込む姿は、歩きながら物音もせず膝を使ってゆっくりと上下をくりかえし、本当に雲の上を行くような悠然とした姿でした。

四幕目(問注所対決の場)
2度目の休憩の後は、御殿の中からがらりと雰囲気が変わって裁判のお白州です。足利家国家老の渡辺外記左衛門は、お家乗っ取りの悪だくみをする一味を幕府に訴え出ますが、評定をするのは一味に加担している山名公なので、いろいろ証拠の手紙などを提出してもどうにもなりません。もうダメかと思ったときに救世主細川勝元公がさっそうと現れます。

外記役の男女蔵さんですが、顔にしわは描いているものの、何か顔が若くてちょっと無理が‥‥。こういうところこそ味のあるベテランの出番だと思うんですけどね。それと松緑の勝元公‥‥ええっsweat01 松緑さんって丸顔で童顔だったんですね~。何だかさわやかな感じというより、お子ちゃまっぽくてギャグマンガ風。。。セリフも、ここって笑う場面だったっけ?というような‥‥sweat02「さあ、さあ」と追い詰めていく緊迫の場面も弁舌さわやかはいいんだけれど、軽かった。

でもまあこのギャグ殿様のおかげで国を揺るがす大悪人が悪事を認め、一同めでたしめでたしなのでした。よく考えると仁木弾正って腹ばかりで外見はあまり見せどころがない役。印を押すところも緊迫の場面なんでしょうが、若手役者が演じるには地味ですよね。

大詰(刃傷の場)
罪人となったはずの弾正が、あろうことか隠し持っていた短刀で刃傷に及び、外記左衛門が花道を逃げてくるところから始まります。衝立のかげに隠れる外記左衛門。追ってくる弾正の形相がすごい。これがまた限度というものがあるような気がしますけどね。

このあと外記左衛門を見つけて立ち回りになるのですが、考えてみると外記左衛門は高齢でしかも手負いなんですよ。その上武器もなく扇で応戦してるだけ。それなのに、大悪人の弾正がすごい迫力で襲いかかりながらなかなかとどめが刺せない。(外記左衛門は相当の武道の達人に違いない!)弾正が死ぬところもすごい形相で大熱演だったけれど、あそこまで派手にやっちゃうと、かえって妖術まで使える大悪人が何でこんな老いぼれに簡単に殺されちゃうんだろうなんて、素朴な疑問がわいてきませんか?coldsweats01

また猿之助の「伊達の十役」ですが、あれはすご~く荒唐無稽に脚色しているけれど、ここの部分は納得できるんですよ。弾正は簡単に死ぬはずもなく、妖術を使って巨大ネズミに変身して大暴れ!‥‥だったと思います。(DVD持ってるcoldsweats01)それで、その妖術を打ち負かすことができるのは子の年生まれの者の血を吸った刃物だけで、そこでそれを知っていた誰だかが腹を切って、その鎌で弾正をやっつける!そうだよね~。大悪人が簡単に死んだらつまらないもの。(あ~十役早替わりでなくてもいいから、猿之助チルドレンでこれを再演してくれないかなあ‥‥)

脱線しましたが、結構つっこみどころはあったけど、若手中心の華やかないい舞台でした。それでも、若手がやって映える役と、ベテランの渋い演技がほしい役があるのがよくわかりました。

このあと舞踊の「龍虎」がありましたが、やっぱり舞踊苦手。ただでさえ長い通し狂言に何でおまけのようにもれなく付いてくるんだろう?毛振りがあってけっこう激しい踊りですが、やっぱり私はバレエのような踊りが好きなので、体のラインが見えないと表現するものがよくわかりません。手先と足の運び、顔の角度などで表現するのでしょうけど、難しいです。(起きているのがsweat01

歌舞伎も見始めると面白くて、次々に見たくなります。今やっている国立劇場の「江戸宵闇~」もとても見てみたいlovely 実は私、その昔「乱歩大好き少女」だったのです。怪人二十面相と少年探偵団シリーズは小学生の時に読みふけりました。もうかなり忘れていますが、乱歩の戦後の少年向けのものでも、ちょっとハイカラな戦前の「帝都東京」の雰囲気があって好きでした。作品にちりばめられた「古い洋館」や「洋行帰りの紳士」「西洋の美術品」「宝石」などのアイテムが、見たこともない妖美な世界をつくっていて、子供心にもドキドキしたものです。そういうちょっとレトロでバタ臭い雰囲気が乱歩もののよさなのに、江戸時代に置き換えちゃったらどうなんでしょうね?明智小五郎が隠密同心ですか??乱歩と聞いたらこいつぁ一番のらざあなるめえ‥‥と思うけど、もう今月はバレエもあるので無理sweat01

来年1月にはまた初春花形歌舞伎で、今度は澤潟屋の面々が勢ぞろいします。これも見たいけどバレエも見たいし‥娘受験生だし。。。weepでも、受験も終わって3月にはまた猿之助歌舞伎の「獨道中五十三驛」があるので、楽しみですheart04

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2008年11月14日 (金)

庭の侵入者

Simgp6546 先月植え替えた玄関先の草花も、3週間たつと立派に根付いて隙間の土が見えなくなりつつあります。こんなふうにポットの苗も大きくなるわけだから、「ガーデニング教室」のときにつくった寄せ植えみたいにぎゅうぎゅうに植えるのは好きじゃないんですよね。

そろそろ外にいるのも寒くなってきそうだから、やることがあったら早目にやりたいのですが、バラのお手入れ、本当にどうしましょうね~。ひどいんですよ、今年は特に。バラを始めたばかりの頃、最初のうちは教科書通りに殺虫剤と殺菌剤を混ぜたものを、規定より全然少ない回数ですが、撒いていました。それも最近は全くやらなくなり、春はアブラムシ、夏はチュウレンジバチの幼虫や黒点病などにやられていましたが、今まではそれでも何となく、春が来れば新芽が伸びてちゃんと花が咲くということを繰り返してきました。でも、今年は様子が違うのです。Simgp6548

鉢植えはほとんど回復不能の強烈な黒点病になり、夏の終わりから葉っぱが全部落ちてしまっています。四季咲き種は秋にもいくつか花が咲いたりしていたのですが、今年は全然だめでした。枯れてしまいそうなものもあります。それから地植えにして大きくなった株も、根元をかなり虫にやられてしまい、太い枝が枯れてしまっているものがたくさんあります。特に今年の気候のせいなのか、虫もいつもよりたくさん発生しているように思います。Simgp6553

他のお宅はどうなんでしょうか?うちだけでなく実家もそんなに薬は撒かずにきたのですが、今年はやっぱりひどくて何度か散布したそうです。でも、何本かだめになって、母などは「もうバラは大変だからやめる」と言っています。

そろそろ園芸店などで大苗が出始め、バラの植えつけの時期になります。ことしはダメになったものがあるので、その分何を買おうかな~noteしばらく置き場所がなくて新しいバラを買っていなかったから、イングリッシュローズにしようか、それともオールドローズ?などとカタログを見たりしていましたが、今、1本も元気なバラがないことを考えると、ほんとにバラをまた植えるかどうか考えてしまいます。

先月植え替えをした翌日から、先週ぐらいまで秋の土用でした。もう気学から離れて1年になり、土用なんてそんなに気にしてなかったのですが、やっぱりこの時期何かがある??というのは、買ってきた苗で余ってしまったものがあり、それがポットのままではダメになりそうだったので土用と知りつつ植えていたら、蜂か何かに左目の上を刺されてしまいました。その時はチクンとしただけでしたが、あとでひりひりしてきて、次の日の朝起きたら形相が変わるほど赤くなって腫れていました!

お岩さんみたいだわ~coldsweats02 これじゃ外を歩けないsweat01(ちょうどその日ハロウィーンだったので、お岩さんになれた??)と思い、普段ほとんど行かない皮膚科に行きました。皮膚科では、例年虫刺されで腫れたといって来院する人は夏限定だったけれど、なぜかことしは秋になっても多いのだそうです。先生曰く、異常気象の影響もあるのか、田舎か山間部にしかいないようなアブとかブヨとか、何だかわからないけれどそういう刺す虫が市街地でもかなり発生しているらしいです。(ハチ、アブなどは五黄。気学でいう土用もあながち迷信ではなかった!)すみません‥調べたらハチは三碧、五黄の象意を持つのは「蚊、ゴキブリ、ハエ、毒のあるもの」ということでした。Simgp6549

今までテントウムシとか珍しい蝶とか、かわいい系の虫も来るので、薬剤を散布して全部いっぺんにやっつけてしまうことに抵抗がありました。だけど、今年は本当に虫が多い!娘が朝、庭側の木戸から出ていくのですが、庭を通るとクモの巣が必ず頭に引っ掛かるので、最近では箒を持って払ってから通っていますcoldsweats01 何かうちの小さな庭にも相当の異変があるようです。

虫の他にもいろいろ侵入者がいます。一番大きいのは人間。さすがに住居侵入になるので大人は玄関より先は入ってきませんが、たまに学校帰りの小学生。ちょうどうちは2本の道の間にあり、裏に住んでいる子には庭を抜けるとかなりの近道になります。まあ、子供は害がないからいいけど、ひどいのは犬!散歩させながらリードを離しちゃった(わざと?)犬が庭に入ってきて糞をしていきます。飼い主も他人の庭に入って始末もできないので知らん顔。ひどい人もいるものです。だから犬は好きになれません。

一番かわいいのは早春に来るメジロだけれど、最近はシジュウカラがよく来ます。バラについた虫を食べに来るのかな?それからそのシジュウカラを狙っている猫!猫は不思議なもので、うちに猫がいた時はほとんどよその猫は入ってきませんでした。放し飼いにしていたわけではないから、猫を外に出すのは私が庭にいるときだけ。短時間だし、そんなに毎日でもなかったのに、ちゃんと窓から睨みをきかせていたのでしょうか?それが、うちに猫がいなくなったとたん、庭にいろんな猫が出入りするようになりました。

朝起きると芝生の上に糞!(猫の糞はすぐカラカラに乾くのでまだいい!犬のは量がこんもりで本当に腹が立つ!)そんなことがよくありましたが、最近は1匹の猫の限定縄張りになったのか、ほかの猫は見かけなくなりました。そのかわりそいつが自分の庭のようにわがもの顔で、バラの木に来る鳥を狙っているのです。それでも猫が鳥なんか捕まえられるわけがないと思っていたら‥‥きのう事件があったんですsweat02

私が庭に出たら例の猫がいて、いつもはぱっと逃げるのですが、こちらを見ながら何かをうかがう様子。でも、そのうちに行ってしまいました。しばらく枯れたバラの枝などを切っていて、ふと気がつくと、何とその猫が去りがたそうにしていた場所にスズメの死骸が落ちているじゃないですか!もう、とんだ置きみやげ!気持ち悪くて処理する気にもなれず、そのうちまた取りに来るだろうと放っておいたら‥‥今朝、ありましたよ、まだ!それも、そのあとまた来て食べていったのか、食べ残しの羽とくちばしと‥‥よくわからないけどぺしゃんこになった残骸が捨ててありましたsweat01これ、どうするんだよ~!しばらく放置して、干からびてから片付けるよりほかありませんよね。まったく、とんでもない奴だわ。

その猫、そんなに大きくなく、野良猫風でもありません。むしろこぎれいで、若そうだし、飼い猫なんじゃないでしょうか。顔もすごくかわいらしい顔をしているんですよね。白黒トラのブチで、初めサバトラだと思っていたら、よく見ると黒とグレーのくも型の模様のアメショー風。アメショーが混じっているんだったら、あのすっきりした顔立ちはメスかなあ。。。アメショーのオスは少し大きくなるとすごいふてぶてしい顔になりますからね。

何といっても彼女(彼?)が来るようになってから他の猫が糞をしていくことがなくなって多少感謝してるんですが、うちで狩りをしてもいいから、食事場所にはしないでほしいですcoldsweats02 残骸は自分で片付けてよ~!それにしても、きれいだから野良猫ではないと思うのにスズメを捕って食べちゃうなんて何というたくましさ!

うちのモヤちゃんやルルちゃんは敏捷だったから、もしかして捕まえることはやればできたかもしれないけれど、それをバリバリ食べちゃうなんてこと、絶対にしなかっただろうと思いますsweat01大体、キャットフードだって好みが厳しくて、嫌いなエサは全く手もつけなかったくらいなので。。もしノラちゃんになったら生きていけなかったと思います。そんな感じで、代々室内飼いをされてきた猫と、飼い猫だとは思うけど放し飼いの猫との違いを見せつけられました。野性ってすごい。

子供のころ、埼玉の山奥の母の実家にものすごく大きな猫がいて(山猫?)、よく裏山でヘビやモグラを捕まえてきましたが、2~3年で家出してしまいました。その数年後、叔父が山一つ越えた反対側の集落にある家に行ったら、その家にそっくりの猫がいたそうです。「こいつ、うちの猫だったかもしれない‥‥sweat02」って、叔父もびっくりしたでしょうね~。そんなふうに立派に生きていけるような猫が今でもいるんですねcoldsweats01

カワイイものも、招かれざる者も、庭にはいろんな侵入者がいて、そのために薬を撒くのを躊躇してきたのですが、今年のかつてないバラのダメージ。これは本当に私の母じゃないけれど、これからまだバラを育て続けるのか、その選択にまで迫られるほどのひどさになってきているのです。

新しいバラのカタログが届き、かわいいバラの写真がいっぱいheart01それを植えたガーデンの素晴らしい写真も載っていて、こんなに咲いたらいいだろうな~と夢は膨らむけれど、そのためにうちの侵入者たちをすべてシャットアウトして、鬼のように毎週毎週薬を散布し続けなければならないとしたら、バラはもう諦めたほうがいいのかなあ‥‥‥。なんて、少し弱気になっています。

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2008年11月11日 (火)

久しぶりに歌舞伎座。

081106_1050001 歌舞伎座の吉例顔見世大歌舞伎、昼の部を見てきました。歌舞伎座の正面には櫓が上がっていました。

この建物も、1年半後の再来年4月から建て替えに入るそうです。この芝居小屋風の雰囲気を残した重厚な外観が、風情があってよかったんですけどね。防災上のこともあるでしょうが、お客様は年配の方が多いのに段差が多くエレベーターもないので、昨今のバリアフリーの観点からも建て替えが必要になってきたのでしょう。ビル型の複合施設に建て替えられるのだろうと思いますが、この東銀座に忽然と建つ白亜の殿堂?みたいな、独特の存在感が失われるのはちょっと残念です。

昼の部の演目は通し狂言の「盟三五大切」(かみかけてさんごたいせつ)。この間前進座で見たのと同じ鶴屋南北の作で、またまた殺人だらけのR-15指定!?みたいなものでした。こちらはお化けは出てこないですけどね。お化けより生きた人間の情念のほうがずっと怖い、そんなことを思わせる演目でした。「東海道四谷怪談」がヒットしたので、その続編的に書かれて、「四谷怪談」のあとに初演されたそうです。

その後、暗い陰残な内容のためか評判は思わしくなく、ずっと上演が途絶えていて、昭和51年に復活上演され、それ以降は何年かおきに上演されているようです。これがとても面白かった。仁左衛門さんが冷徹な殺人鬼、裏切られた男の狂気を演じてすごかったです。

序幕(佃沖新地鼻の場~深川大和町の場)
プロローグは佃沖に浮かぶ3艘の舟。最初に船ごとに大方の登場人物の関係を説明してしまうのが粋な趣向です。1艘目は悪事に加担して、あとで殺されてしまう人々。2艘目は三五郎(菊五郎)とその女房の小万(時蔵)。三五郎は父から勘当された身だけれど、父の旧主に金を用立てることで勘当を解いてもらおうと思っています。そのために女房を芸者に売って、客から金を巻き上げようとしているのです。

月が出て、辺りが明るくなり、3艘目の舟が現れます。乗っていたのが小万にぞっこんの浪人の源五兵衛(仁左衛門)。実は彼は塩冶(赤穂)の侍だったけれど、公金を横領した咎でお家を追放された身の上。(それってどこかで聞いたような?四谷怪談の田宮伊右衛門も同じ設定だよね?)横領した金を返せば討ち入りに加えてもらえるということらしいのです。だけど、そんな志があるのに何で芸者に入れあげてるのか全くわからないよ~sweat02

源五兵衛の家は遊興費にあてた借金のかたに鍋釜や畳まで持っていかれてしまって、一枚の布団しかありません。それでも「ここに小万がいてくれたらなあheart04」なんてのんきなことを言っているのです。若党の八右衛門は主人思いなだけにあきれ顔。

そこへ小万一行が家に押しかけてきます。大体こんな何もないボロ家を見れば、巻き上げる金なんて一銭もないのは一目瞭然なのにどうしてでしょうね~?(それがいつも歌舞伎の不思議ワールドhappy01ですね~。)小万が腕の「五大力」と彫った刺青を見せると、ますます源五兵衛はのぼせあがります。五大力とは、五大力菩薩の加護という意味で、手紙の封などに書いて無事に届くようにするおまじないや、遊女などが一人の男に誓いを立てた証の言葉だったそうです。ここでの源五兵衛はまだ、貧乏してても何かのんびりした感じの浪人者なのですが‥‥‥。

そこへ叔父の助右衛門がやってきます。助右衛門は源五兵衛のために百両を工面したと言って、その金を渡します。あら~そんなとこ小万一行に見られちゃっていいのかな~と思っていたら、やっぱり。「それきた(カモ)!」と思われてしまいましたよ。

2幕(二軒茶屋の場~五人切の場)
茶屋では、客が小万を身請けしようとしていて、小万は腕の「五大力」を見せて必死で断わっています。これは実はみんながグルになって一芝居打っているのです。そこへ源五兵衛が来て、しつこく言い寄られて嫌がる小万の姿を目の当たりにします。お前に身請けなんかできないだろうとバカにされ、悔しがる源五兵衛。必要な金は百両。このままだと小万は身請けされてしまう。今ちょうど懐に百両あるけれど、これは叔父が用立ててくれた、帰参に必要な金。渡すわけにはいきません。ところが、自害までしようとする小万を見て、ついに我慢しかねた源五兵衛は百両を出して自分が小万を身請けすると言ってしまいます。

まんまと罠にはまった源五兵衛が小万を連れて帰ろうとすると、三五郎が呼び止め、実は小万は自分の女房で、今のはみんな金を巻き上げるための芝居だったと嘲笑する。怒りに震えながらじっと耐える源五兵衛。

その夜、源五兵衛をだました連中が集まっている家で、三五郎は小万の刺青の「五大力」に加筆して「三五大切」(三五郎命heart01)と書き換えたりしていちゃついています。そしてみんなでここへ泊ろうということになり、夜が更け‥‥。

そこへ源五兵衛が昼間の恨みを晴らそうと忍び込むのですが、暗闇の中、いきなり無言のまま次々と、ほとんど無差別に人を斬っていく凄惨な場面となります。でも、様式的なせいか思ったほど生々しさはなくて、時代劇などでリアルにばっさばっさと人を斬るシーンに比べれば、割とあっさりとしている感じがしたのですが、テレビの見すぎかな~?

これは、実話をもとにした「五大力恋緘」(ごだいりきこいのぶうじめ)という演目があって、それをベースにしているのだそうですが、五人斬りなんてテレビの時代劇では毎回やっていて珍しくもないのに、実際は芝居になるぐらいのすごい事件だったんですね。江戸時代は武士と称する人々がいつも腰に凶器を差していて、斬捨て御免。そんな物騒な時代だと思っていましたが、案外太平の秩序が保たれていたのかな?そういう意味では現代のほうが物騒な時代なのかもしれませんよ。

肝心の三五郎と小万はこの惨劇から命からがら逃げ出し、幕となりますが、この陰残な殺傷劇を見たあとで休憩となり、平気な顔で弁当を食べてるのもね~sweat02と思ったのは私だけでしょうか?

大詰(四谷鬼横丁の場~愛染院門前の場)
お昼の休憩が終わって、後半はちょっと滑稽な場面から始まります。四谷にある長屋はちょっと前に「四谷怪談」のお岩が殺されたその家だそうで、そこにはお岩の幽霊が出るらしい‥‥それで、店子が入ってもすぐに出ていってしまうので、大家はそれで(1泊でも1月分の家賃が入るから)儲けているらしい??そこへ三五郎と小万が引っ越してくるのですが、何とその大家は小万の兄。

そこへ偶然三五郎の父、了心が現れたので、三五郎はようやく百両が手に入ったからと、源五兵衛から巻き上げた百両を封をしたまま渡します。父は喜んで旧主に引き合わせてやろうと言って帰っていきます。

さて、詐欺に加わった生き残りの一人を脅して、源五兵衛が居場所をつきとめてやってきます。花道に立った源五兵衛は、最初ののんきな浪人者とはうって変わって鬼気迫る形相。怖がる二人に、引っ越しの祝い酒だ、と言って酒を置いて行くのですが‥‥。いろいろとややこしいので要点だけにすると、その酒には毒が入っていて、そこにやってきた大家(小万の兄、弥助)がその毒の酒を飲んでしまいます。そのあと、実は塩冶家の御用金を盗んで父の旧主(実は源五兵衛なのだが)を陥れた張本人はこの弥助だったとわかり、三五郎は弥助を斬り殺してしまう。。。そこへ了心が戻ってきて、三五郎を自分の寺に匿まおうと、樽の中に入れて運んで行くのです。

小万一人になった所へ再び源五兵衛が現れます。小万は三五郎と夫婦だった上に子供までいたのだ‥‥!改めて裏切られた恨みが込み上げてくる源五兵衛。そして腕の刺青を見ると、何と自分に操を誓っていたと思った「五大力」の文字が「三五大切」に書き換えられているではないか。自分を騙しただけでなく、そこまで愚弄していたのか!源五兵衛は狂ったように小万に何度も斬りかかり、果ては小万に刀を握らせて赤ん坊まで刺し殺してしまいます。例の「五人切り」は無表情であっさりとしていたけれど、ここは本当に恨みがこもったねっちりとした凄惨な殺し場でした。

小万を殺したあとの源五兵衛は、小万の首を切り落とし、帯でそれを丁寧に包み、さもいとおしそうに懐に抱いて雨の降る中を破れ傘をさして去っていきます。自分で殺していながら小万の首に頬ずりせんばかりの様子に、ああ、こんなにも小万を愛していたんだなあと‥‥‥。それはそれは仁左衛門さんが美しいだけにぞっとするような光景でした~sweat02

仮住まいの寺に戻った源五兵衛は、小万の首を正面に置き、その前で食事を始め「お前とこうやって水入らずで飯を食べたかったなあ」などとつぶやく。何という倒錯した世界‥‥!そして、箸を近づけると小万の首がぐわ~っ!と真っ赤な口を開ける!!怖っ!(というより笑ってしまう?かな)

そこに三五郎の父(了心)がやってきて、先ほどの百両と高家(吉良家)の絵図面を渡し、これを持って仇討ちに加わってくださいと言います。ところが源五兵衛は、三五郎という夫婦に騙されてたくさんの人を斬ったので、もう仇討ちには加われないから、ここで腹を切ると言う。びっくりしたのは了心と、それから樽に隠れていた当の三五郎でしょう。その三五郎はわが倅だと明かされて、驚いた源五兵衛が今渡されたばかりの百両の封を切って見ると、それは最初に叔父が持ってきた刻印の押されたものだった。

叔父のくれた百両を三五郎にだまし取られ、それがまた回りまわってここにある。すべてがわかったとき、樽が割れて中から腹に包丁を刺して血まみれの三五郎が現れます。息も絶え絶えの三五郎は、源五兵衛が人を斬ってしまったのもすべて自分のせいなので、その罪を全部引き受けるから、どうか仇討ちに加わってくださいと頼むのです。

最後に、今晩吉良家に討ち入りをするという赤穂浪士たちが駆けつけ、源五兵衛を迎えに来たと告げます。三五郎は息絶え、源五兵衛は意を決して仲間に加わり、出立していくのでした。。sweat02

ざっとあらすじを書くつもりがとても長くなりました。全編を通して際立つのは仁左衛門さん演ずる源五兵衛の怖さ、哀しさ、冷たい美しさです。本当に小万をどうしようもなく愛してしまったのだなあ‥‥騙されても、むごたらしく殺してしまっても、やっぱり愛していたんだなと。愛することで鬼にもなってしまう人間の恐ろしさ。そんなものをとても感じました。

そして、やっぱり本来のテーマは武士というものの不条理さなのでしょうか。そこまでして旧主に尽くさねばならないのか。それから、世にカッコいいとされている赤穂浪士だって、中身はこんなにドロドロの世界なんだと。一皮むいてみれば武士なんてそんなものだという風刺も含まれているのかもしれません。

江戸時代にはあまり人気がなかったようだけれど、何かとても現代に通じるものがあるような気がします。先月見た前進座と、南北つながりで見に行きましたが、南北のおどろおどろしい世界は荒唐無稽なだけじゃなく、ものすごく現代性を持ったものだと思いました。

もう一つ、休憩はさんで「郭文章 吉田屋」というのがありましたが、短い舞踊ものかと思ったら結構長くて、ところどころ寝てしまいましたcoldsweats01 どうもこの「上方和事」というのが、どこが面白いのかよくわかりません。主人公は遊興に明け暮れ莫大な借財をして勘当になった大店の倅(藤十郎)。今は一文無しで紙衣(かみこ)を着るくらい零落しているのに、ちっとも物おじすることなく立派な遊郭に入っていき‥‥‥。そのセレブ感、鷹揚さが当時の庶民のあこがれだったのか??

今の不況の世の中でも全く動ぜずに、このお話のように最後は勘当を解かれてハッピーエンドになればいいんだけど。陰残な殺しの物語を見た後で、甘~い「上方和事」のお口直しでほんわかした気分になって帰っていただこうという趣向なのでしょうか?私は何だかあの凄い感動のまま帰りたかったような気もしましたが‥‥。

歌舞伎座の建て替えに伴い、来年~再来年の3月まで「さよなら公演」と銘打って、今までの人気演目が次々と上演される予定だそうです。その中で観客からもアンケートで好きな演目を募集するというのがあったので、さっそく私も書いてきました。アンケート用紙の裏にずらっと参考演目が載っているのですが、やっぱり有名なところは黙っていても上演されるよね~。だから、今まで見て面白かったけどあまり上演されてなさそうなところを書いたほうがいいかなと思い、結局「里見八犬伝」などと書いてしまいました。「椿説弓張月」でもよかったかな?あはは、趣味丸出しでしたねsweat01

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2008年11月 5日 (水)

民家園「船越の舞台」公演

S2008_1103_135729imgp6517 秋川歌舞伎保存会の、川崎市の日本民家園「船越の舞台」での公演も、今回で7回目。11月3日に、ことしも無事終了しました。演目は「義経千本桜鳥居前の場」です。

兄頼朝と後白河上皇の策略の間で翻弄され、ついに都を落ちざるを得なくなった義経一行。そこへ弁慶が追いつきますが、忠義ゆえ頼朝の家来の土佐坊に抵抗してしまった弁慶を、鎌倉への恭順の意もむなしくなったと、義経は激しく打ちすえる。さらに追いすがる静に「初音の鼓」を与え、梅の木に縛り付けて泣く泣く去っていくつらい場面です。S2008_1103_140726imgp6520

そこへ義経追捕の藤太一行がやってきますが、ここは「チャリ場」といって、家来とのコミカルなやりとりが続きます。大歌舞伎ではあっさりめですが、農村歌舞伎なので、当地の名物などを織り込んでだらだらとやります。ここは長くて退屈じゃないの?と思っていましたが、今回はなぜか受けていましたね。やっぱりこの場所ののんびりした雰囲気に合っているのでしょうか。客席からも結構笑いをいただきました。

縛られた静をみつけ、藤太一行は静を連行しようとしますが、そこへ忠信が現れます。実はこの忠信は、静の持っている鼓を慕ってやってきた狐の化身。この鼓は桓武天皇の御代に禁裏で雨乞いをしたときに、霊力のある狐の皮を張ってつくったものだったのです。そして忠信に化けた狐はその鼓の子供‥‥というファンタジックな物語。S2008_1103_143236imgp6527

藤太をやっつけて静を助けたところへ、再び義経が現れます。義経は忠信の働きをめで、源九朗義経という姓名を与え、静を守護して都に戻るように命じ、再び九州を目指して落ちていきます。

なおも追いすがる静をなだめながら、鼓を追って狐六法の引っ込みで幕となる、ストーリー的には単純なお話。でも、正義の味方の豪傑が狐の化身だなんて、兄頼朝に疎まれて落ち伸びていく義経のつらい話なのに、どこかほのぼのとしていて、農村歌舞伎にはぴったりの演目ではないでしょうか。S2008_1103_134553imgp6513

この日は天気がよく温かかった例年と比べ、あいにくの曇り空で気温も低かったので、お客さんの入りを心配していました。ところが、思いがけなく多くの方にご来場いただいて、今回は開演と同時に入場制限になってしまったほどでした。これもそれまで不定期だったものが、2年前から11月3日の民家園の無料の日になったことが定着したからでしょうか。

昨年までは座って見る人のほかに、通路を通り過ぎる人も入れて延べ来場者600人といっていましたが、今回はほとんどの方が座ってごらんになっていたので、たぶん300人も入れなかったと思います。演じたほうとしてはうれしいですが、入場制限で入れなかった方々には申し訳なかったと思っています。S2008_1103_110325imgp6508

今回も民家園のボランティアの学生さん、学芸員を目指す大学生の方々が、会場の設営等、とてもパワフルに動いていただいて助かりました。今回の道具は鳥居と梅の木だけで、二重がいらないので楽でしたが、なにせ江戸時代のままの機構ですから、幕を吊るのも上げ下げもコツがいるんですよね。

古い舞台ですが、ここで演じるのは本来の農村歌舞伎が思い起こされて、ホールなどよりも気分が盛り上がります。私は昨年1回だけここの舞台に上がりましたが(ことしは裏方)、やっぱりいいですよね~。S2008_1103_121044imgp6509

最初はとても上演などできないほど荒れていて、楽屋などは物置のようでした。今はきれいに整備されてちゃんと使えるようになっています。あとはトイレがあるといいんですけどね。普段の民家園の展示だと、こんなところにトイレはいらないんですが、上演するとなるとね‥‥みんなこの顔のまま一旦園路に出なければいけないので、通行人にギョッとされてしまって恥ずかしいと言っていました。

これでことしの公演は無事終了しました。あとは来年2月に東京都の民俗芸能を集めた催しで、(2月8日昭島市民会館)この間のキララホールと同じ「太功記2段目」と「千本桜鳥居前」をもう一度上演する予定です。その後は来年の秋に向けて、また新たな演目の練習に入ることになります。民家園さんがこの素敵な「船越の舞台」にまた来年も呼んでくれますように。

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2008年11月 2日 (日)

びっくり(゜o゜)

ちょっとびっくり。「アラジン」が近くなったので久々に新国立劇場のHPを見たら、なんとコジョカルが怪我で来日できず、「代りにラリーサ・レジニナ(オランダ国立バレエプリンシパル)が出演いたします」だって。‥‥それってもしかしてラリッサ・レジュニナ

多分知らない人は「誰?これ」状態だと思いますが、今はDVDにもなっているキーロフバレエの「眠れる森の美女」の1989年の映像で、輝くばかりに初々しい、フレッシュなオーロラ姫を踊っている(王子はルジマトフですheart01)あのラリッサ・レジュニナ。また、1992年のキーロフのロンドン公演を収録した「エッセンシャルバレエ」、今は「ロシア・バレエのスターたち」というタイトルでDVDがまた出ているようですが、その中に入っている「ディアナとアクテオン」のパ・ド・ドゥをルジマトフと、これまたキラキラ輝くような華奢な可憐さで踊っています。

94年にオランダ国立バレエに移籍後はよくわかりませんが、あれから20年。ルジ様はレニ国の芸監になってしまって一線を退いた観weep がありますが、彼女はまだ元気に踊っていたのね~。なぜ今この人?とは思うけれど。新国サイトに出ていた写真は、多少年月は感じますが、相変わらずの素敵な笑顔でした。コジョカルより歳はだいぶ上だけど、小柄で愛らしいキャラはコジョカルに近いものがあると思います。私は「シンデレラ」のコジョカルの日のチケット買っていて、夏に続いてまたも見損なってしまったけれど、初めて生で見られるラリーサ・レジニナがとても楽しみになりました。ほんと、思いがけず素敵なクリスマスプレゼントhappy01をもらえるような気がしています。

びっくりついでに‥‥。昨日友人の娘さんの通うバレエ教室の発表会を見てきました。こんなこと言っちゃほんとはいけないと思うので(ごめんcoldsweats01)名前は伏せますが、娘の行っている教室の発表会にもゲストで毎年来ていただいているロシア人のダンサーさんで、まだ30前だと思うのですが、何か前髪が年々淋しくなってくるな~と思っていた方が、「え~??」と思う変身ぶり!何と、後退した前髪が自然な感じに復活してる!レニ国のプハちゃんのような不自然な舞台用カツラではありません。頭髪のせいでかなりふけて見えていたけれど、ほんのちょっと、おでこ1~2センチの違いですごく若々しく見えてびっくりしました。

とってもくだらないことですみませんsweat01 一緒に行った娘が一番びっくりして、今は休室中のバレエ教室の先生に思わずメールしてました。先生曰く、(どういう方法かわかりませんが)彼はここのところ結構努力して増毛に励んでいたそうです。バレエダンサーで、まだ若いし踊りはとても素敵なのにビジュアルがね~という人は結構います。やっぱり王子様が薄毛ではね~。残念に思っているからあえて名指ししちゃうと、キエフバレエのシドルスキーと、レニ国のプハチョフ!ほんとに、踊りはあんなにノーブルなのにもったいないsweat02今は最新の技術もあるらしいから、彼を見習って頑張ってほしいです!

その発表会はメルパルク、昔の郵便貯金ホールでした。思えば中学1年の時、初めて自分で電話してチケットをとってミッシェル・ポルナレフのコンサートに(保護者付きで)行った場所。30年以上前の話で恐縮ですが、初めて自分で行きたいと思って買ったチケットというのがここの場所でした。だから私にとってはとても記念すべき場所なのです。

その後、バレエで行く機会も何回かありました。特にスタ・ダンをよく見ていた何年か、ここでの発表会は毎年見ていました。そのころのゲストは当時スタ・ダンにいた李波さんとか西島さん、長瀬さんなどで、思えばとても豪華でしたlovely あのころ出ていた生徒さんは(私は最近見てないので)海外で活躍している人もいるし、スタ・ダンで踊っている人もいるでしょうね。そんな何か懐かしい場所だったので、招待してくれたお友達は「遠いから」と言って恐縮していたけれど、実はうれしかったのです。

それに内容もとても充実していて楽しめました。小品集と、小さい子向けの創作演目、そして「くるみ割り人形」の雪~お菓子の国「コッペリア」第3幕と盛りだくさん。4部仕立てで4時間超の、歌舞伎の見取狂言を見るような優雅な1日でした。もっとも、これだけ大掛かりな発表会だと、参加されている子どもたちや保護者の方はまる1日戦争のようで、それどころじゃなかったでしょうけどね。

友人のお嬢さんは最初のエチュード的な創作作品と、「コッペリア」の時の踊りに出演していました。コールドだから、後ろのほうにいてわからないと思うよ、と聞いていたけれど、しっかり見つけることができました。小学校高学年になって、ポワントもはいて、2年前のカツラをかぶったキューピットたちと違い、もうすっかりお姉さんです。難しい振り付けではないけれど、基本がしっかり身についたとても素直な踊りを見てうれしくなってしまいました。このまま素直に伸びていってほしいなあ。

どんな本格的な教室でも、「なんちゃってバレエ」風の教室でも、幼稚園~小学校低学年の小さい子の踊りはほとんど違いがないようです。つま先伸びてないし、内股の子もいるし。この時期はもう舞台に乗って元気に笑顔で踊るだけでかわいいから、ただ楽しんでお稽古してるだけでいいんだと思います。でも小学校高学年になってくると断然違ってきます。「なんちゃってバレエ」はやっぱり「なんちゃってバレエ」のままだけど、やっぱりきちんとした先生につけば格段にうまくなっていくようです。ただ楽しめればいいという教室と違って、やはりそれなりに週何回以上と決められた回数レッスンが課せられているし、コンクールなどに出させられる(?)となると、通わせるほうは大変だけれど、先生も生徒もそれなりの覚悟が決まってくるんでしょうね。

小さいお子さんを見ていても、それぞれ個性があって面白い。舞台の上ではお母さんや先生は助けてくれません。舞台裏ではふざけたりぐずったりしていても、出番になったらすっと違う顔になって出ていく。ほんとに小さい幼稚園の子でもそうなるから不思議です。私も娘のおかげでそういう瞬間を知っているので、小さいながら頑張っている姿が感動的に見られるんですね。

子供向けの創作というのは大抵退屈するんだけど、面白かったです。何とゲストの男性ダンサーが「かぶとむし」と「キリギリス」の迫真のバトルシーンを演じていて、見に来た人たちにも飽きないようなレベルの作品になっていて驚きました。いつもはNBAで王子様を演じている(だろう)サレンコさんに「キリギリス」をやらせちゃうんですよ。豪華でしょ?「カブトムシ」のほうはまるでロットバルトみたいな衣装で、「海賊」のビルバントを混ぜたような強そうなキャラクター。どうみても緑のオールインワンのレオタードに薄いオーガンジーの羽をくっつけただけの「キリギリス」(王子様にそんな恰好をさせるなんて‥)は分が悪そうですが、見事横暴な「カブトムシ」をやっつけて森の平和が保たれたのでしたhappy01 。

雪のシーンから始まる「くるみ割り人形」は、最初のクリスマスパーティとネズミの戦争を抜いただけの「くるみ割り人形」短縮版で、とても見応えがありました。今回お母様方の一番人気だったという王子役の秋元康臣さんは、スタイルが良くて手足も長く、本当に王子様そのものでした。ジャンプも回転も軽~いheart04まだ若手のNBAバレエ団の有望株なんでしょうね。

今回、この教室でクラスを任されている先生たちも要所要所で踊っていて、とてもレベルの高い発表会でしたが、このクララと金平糖の精は生徒さんでした。特にグラン・パは素晴らしかったです。ロイヤルの難しい振り付けをそのまんまやっていたと思います。あれはたぶん流れたら全く見られないし、本当にがっちり正確な基本の上に築き上げられる美だと思うので、それをちゃんと表現できていたのがすごいと思いました。

「コッペリア」の3幕は、娘が夏に「ジゼル」に参加させてもらった教室も明日、同じ市内のいくつかのバレエ教室が合同でやる「文化祭」で上演します。その中の「あけぼの」と「祈り」を、娘も出る人と一緒に練習していたので、とても興味を持って見ていました。「時」も何年か前の発表会で踊っていたし、私より娘のほうが楽しみにしていました。面白かったのは「結婚」をすごく小さい子たちにやらせていたこと。多分、まだ幼稚園に入ったばかりぐらい。「お遊戯」もろくにできないような幼い子たちに花嫁、花婿の格好をさせて、またその子たちもそれになりきっているのがとてもかわいくて楽しかったです。

フランツ役のヤロスラフ・サレンコさんも素敵な人でした。ただ、もう少し芝居っ気がほしいというか、少々仏頂面なんですよね。この場面なんか踊るのは最後の「平和」のグラン・パだけで、芝居らしい芝居はないんだけれど、やっぱり前半のお芝居のコミカルで軽薄な町の若者の感じをまとっていてほしいし、そういう醸し出す雰囲気が「コッペリア」らしさを作ると思うし、大事なんだと思います。サレンコさんは踊りは素晴らしいけれど、その辺が少し残念でした。でも‥‥ことしマリインスキーのオブラスツォーワを相手に「ドン・キホーテ」を踊ったのはこの人だったんですよね?ううん、どんなバジルだったんだろう‥‥。

長丁場でしたが、とても楽しい発表会でした。明日もまた、川崎民家園の帰りがけに「文化祭」見てきます。

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2008年11月 1日 (土)

黄色いコスモス

S2008_1030_142434imgp6489 今日から11月。早いですね。バレエシーズンももうすぐ始まります。

最近、ネタが切れると昭和記念公園に行ってるみたいですね‥‥coldsweats01別にネタ切れというわけではなくて、一般社会に目を向けると書きたいこと(というか怒りたいこと)はいっぱいあるのですが、私などがここで怒っても仕方のないことだし、きれいな写真を見ていただいたほうがいいと思うのです。S2008_1030_135443imgp6461

一昨日また、あまりに天気がよかったので、運動不足解消に昭和記念公園を歩いてきました。近くに大きな公園があるというのはいいものです。

この間の新聞(多摩版)に出ていましたが、25周年のこの公園。2005年に「みどりの文化ゾーン」「昭和天皇記念館」ができてから、ますます来場者が増えているそうです。休日などはキャパを超える(あの広い公園のキャパを超えるってどんなんでしょう?)人出があり、駐車場には入れないわ、園内循環バスには乗れないわ、売店やトイレは長蛇の列になるわで大変なのだそうです。S2008_1030_142608imgp6491

また、人が多いため、園内の芝生や木の根元が踏まれて、植物が傷む被害も出ているそうで、そういえば最近は「養生中」ということで立ち入り禁止にして傷みから回復させようとしている場所も増えてきていました。

名物の?黄色いコスモス、前回訪れたときは咲いていなかったけれど、これが見頃になっていました。かわいいでしょう?私はこのはかなげな淡い色が大好きです。ここには最初に開発されたイエローガーデンという品種と、次の、もう少し黄色が鮮明なイエローキャンパスという2種類があるそうですが、ちょっと見には全然わかりません。S2008_1030_142138imgp6482

もともとコスモスには黄色はありません。これは東京都町田市にある玉川大学の農学部で30年以上にわたって研究された末にできたものなのだそうです。品種登録後、まずこの公園に植えられて以来、毎年ここの目玉になっています。

でも、出生の地は町田市なので、町田市ではことし、この花を市内各地に植えて「市の花」としてアピールしているということも、また別の記事にありました。S2008_1030_142000imgp6479

風にゆれているコスモスの可憐な雰囲気が好きですが、この淡い黄色は特にかわいくて好きです。

ことしは「コスモスの丘」や、「みんなの原っぱ」の反対側の花畑とは時期をずらしたのか、こちらは植え付けがとても遅かったようです。直播きではなく、多分夏以降に植え付けたものだと思います。ここは春には一面、ポピーを咲かせているので、1年中大活躍の花畑ですね~。S2008_1030_141811imgp6476

こちらは普通のコスモスより色が濃い品種。クリムソンキャンパスというのと、ディープレッドキャンパスという2種類があったけれど、こちらはクリムソン‥のほう。ちょっと渋い色でしたよ。ディープレッド‥のほうは花びらにビロードのような厚みと光沢がありました。この西側の花畑は黄色いコスモスが主ですが、アクセントにこういう変わった色のものを植えています。S2008_1030_135030imgp6458

一応「見頃」ということですが、まだまだつぼみもたくさんありました。でも、ここのところ朝晩は急に冷え込んできたので、花びらの端が茶色く縮れてしまっているものもありました。11月初旬まで楽しめそうですが、霜が降りたりするとダメになってしまうでしょうね。

ここで1眼レフで写真を撮っていた方が、「もうコスモスの丘はすっかり終わっていたよ」と言っていました。その方は花の裏側から逆光に透ける構図ばかりを狙っていました。私も真似して撮ってみました。私のはコンパクトカメラですけどね。S2008_1030_142239imgp6486

逆光の写真も好きです。何か逆行だと時間が逆に流れていくような、懐かしい感じが思い起こされるというか、そんな心理作用があるように思います。順光で明るく鮮明に写った写真はきれいだけれど、この後ろを振り返ったような効果が何ともいえず好きになりました。ほら、何か遠い昔のお花畑のようじゃありませんか?S2008_1030_135323imgp6460_2

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