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2008年11月29日 (土)

「オネーギン」初日

予定外だったのですが、シュツットガルトバレエ団「オネーギン」の初日、見てしまいました。前から買っていたチケットは最終日。だけど、この間めっちゃ愛らしく魅力的なアリシア・アマトリアンを見て、すっかりファンになってしまったので、彼女のタチアーナもぜひ見なくちゃと思って、思いきって東京文化会館に出かけました。

得チケが出ていたんですよね。まずそれで行く気になったのですが、見たらそれは29日(土)のみ。なあんだ‥‥でも、一旦行く気になった気持ちは抑えられません得チケのご案内メールには「オペラ好きの方にもぜひ見ていただきたい」とか何とか書いてありました。「オネーギン」って、オペラの演目だったんだ~‥‥そんなこともよく知らない私です。

そういえば、きょうきたご案内メールで、東京バレエ団の「ザ・カブキ」の優待セット券(ペアでS席が半額になるもの)の宣伝文句には、「歌舞伎好きの方にもぜひ」とあって驚きました。いろんな売り方があるものです。でも、あれって歌舞伎好きの方が見て満足するものでしょうか?ベジャール食わず嫌いで見たことない私が言うことではないでしょうが、内容は忠臣蔵?かもしれないけれど、「ザ・カブキ」なんて小馬鹿にしたようなネーミングからして、一体何なんだ!?ほんとの歌舞伎好きが見たら金返せものだと思いますけどね‥‥ま、そんなことはどうでもいいか。

脱線しましたが、「オネーギン」です。同名のプーシキンの小説も、オペラも知りませんでしたが、ストーリーはとてもわかりやすく、そのまんまバレエとして楽しむことができました。まず音楽がとてもドラマティック。オペラの「オネーギン」からは1曲も取らずに、チャイコフスキーの他の作品の中からその場面に合ったものを取り上げてつなげているそうですが、ほとんど最初からそこにあったようにぴったりと物語の中にとけこみ、人物の心情や情景と見事に一致しているのに驚きました。

それから、アマトリアンはやっぱりいいわ~。この間あれだけキラキラ輝くようなオーロラ姫を踊った人が、最初は本当に内気でつまらない田舎の小娘なんですよ。幕が開いてすぐ、婚約者の決まった妹が母親たちとパーティドレスをあれこれしているときに、タチアーナはおしゃれなどには全く興味を示しそうになくて、ただ寝そべって本に夢中になっているような子なのです。それが恋を知ってからのかわいらしさ、初々しさといったら、本当に可憐~また、そのあとの3幕ではガラッと変わって気品あふれる侯爵婦人になっているんですよ。演技も素晴らしかったし、踊りも、しなやかな肢体を存分に使った、軽くのびのびとした踊りに、もう釘付けでした。

容姿的には決して美貌じゃないんだけれど、持っている雰囲気がジュリー・ケントに近いものがあるよね~。アマトリアンは、ニーナ、ケント、マハリナに続いて、私の大好きなバレリーナの一人になりそうです。

レンスキー役のフリーデマン・フォーゲルも、ナイーヴで愛あふれる詩人そのものの透明感のある美青年ですよねいや~、大分大人っぽくはなったけれど、以前にも増して王子様度がアップしていました。踊りも伸びやかで一点の曇りもない。こんな純粋で高潔でばかばかしく悲劇的な役がぴったりはまります。

この人、結構身長ある人じゃありませんでした?去年東京バレエ団の「白鳥の湖」で見た時は、まるで小人の国に紛れ込んだガリバーみたいにデカイ!と思ったけれど、このシュツットガルトバレエ団の中にいるとちっとも大きくない、普通の人です。それだけ大柄な人がそろっているということでしょうか。そういえば「眠れる森の美女」で、女性陣もかなり大きくてダイナミックな人が多いなと思っていたところです。

それからオネーギン役のイリ・イェリネクも、初めて見る人ながら、なかなかのハンサムで独特の存在感。タチアーナじゃないけどやっぱり思わずぼーっとなってしまうかもという感じでした。フォーゲル君よりも私は好みかも プログラムによると彼は21歳の時からオネーギン役を踊っているぐらいの得意役なのだそうです。はたから見るとオネーギンってすごい悪い奴なんだけれど、3幕ではそれを悪い奴と感じさせないくらい、オネーギンの背負った苦悩や痛みを表現してせつない演技でした

題材はとても地味なのだけれど、すれ違う男女の想い、あこがれ、情熱、理性、道徳心など、誰もが多少なりとも経験するようなことにスポットを当てて、時の流れの中でこれをものすごくドラマティックな物語にしてしまう素晴らしさに、本当に感動してしまいました。バレエだけれど演劇的で、もうここでは軸がぐらついたとか、バランスがどうとかは重要じゃないのです。それよりもあちこちにちりばめられたパ・ド・ドゥで表される、お互いの心情のぶつかり合いやすれ違いが音楽と視覚両方からひしひしと伝わってきて圧巻でした。

もちろん踊りも、これでもかというくらい繰り返される難しいリフト、流れるような動き、しなやかな美しさ。そのどれもが素晴らしかったです。

明日また行きます

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