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2008年12月 1日 (月)

「オネーギン」に感動!

S2008_1130_135708imgp6605 昨日は天気もよく暖かい1日でしたね。久々に昼のバレエ公演で上野に行ってきました。少しだけ早く家を出て、国立博物館の庭園が解放(昨日まで)されているので見てきました。いつもは本館の裏のバルコニーから見えるだけですが、春と秋の解放期間は中を歩くことができます。ちょうど午後は本館の影になってしまい、いい写真は撮れませんでしたが、あとで何枚かアップしようと思っています。写真は東京文化会館の裏側。すっかり葉の落ちた木もありますね。S2008_1130_155025imgp6639

こちらは東京文化会館の建物の中。窓からイチョウの木が見えています。マチネは久しぶり。休憩中のホワイエは人がいっぱいです。昨日はたぶん満員御礼。5階の一番端までぎっしり人が入っていました。

この間の28日の「オネーギン」がすごくよかったので、それをまた見られるのがとても楽しみでした。世のバレエファンの方々には、同じ公演をキャストを変えて見るのは当たり前の楽しみ方なのでしょうが、私のような子持ち主婦は他にも見たいものがあるし、時間的にも金銭的にもそんな贅沢はできません。でも、今回思いきって2回見て本当によかったです。

席が違うと同じ舞台でも見え方が違うし、主演ダンサーの個性の違いも楽しむことができます。特に「オネーギン」のようにめったに見る機会のない演目では、印象を強く残しておくことができてよかったと思いました。

タチアーナ役のマリア・アイシュヴァルトは最初からちょっと大人っぽく落ち着いていて、美しく賢そうな少女という役作り。アマトリアンが始めは全然地味でダサい田舎少女だったのとはかなり違います。だけどオネーギンに夢中になってからも、また、振られたあとも何かずっと同じ感じで(化粧が濃いからか?)私には好みじゃなかった。3幕は積み重ねてきた伯爵夫人としての年月を感じさせる慎み深いタチアーナで、こちらはとてもよかったです。

フィリップ・バランキエヴィッチのオネーギンは、最初ほんとにニヒルでスマートな都会のプレイボーイ風。かっこいいけれど、整った顔立ちだけにぞっとするほど冷たく感じられるところも‥‥。1幕2場で鏡の中から現れた顔は悪魔的でドキッとしてしまいました。それなのに3幕では一転して妙に哀れっぽくてよれよれで情けない男なの。どっちかというと28日のイェリネクが、1幕はちょっといやな奴だけど良識ある大人の男で、3幕も切々と愛を訴えるところが伝わって私好みでした 

レンスキー役のアレクサンドル・ザイツェフは、もう本当に素敵でした。「眠れる森の美女」でも、宝石のヴァリエーションに「アリ・ババ」という役で登場して、「一体何者?」というほど鮮烈な印象を残したけれど、このレンスキーも全く違う役柄ながらすごくよかったです。フリーデマン・フォーゲルのレンスキーも美しかったけれど、また全然違うのよね。

フォーゲル君はガラスのような繊細さ、潔癖さ、若さの象徴のような気短さかさで性急に散っていったように思えたけれど、ザイツェフのレンスキーには血の通った等身大の青年の情熱やプライド、誠実さゆえのいらだちや悲しみがひしひしと感じられました。丁寧な踊りから心情が痛いほど伝わって、悲劇的な運命もそれなりに納得がいったというか‥‥どっちにしてもあと先考えないバカな奴ですけどね。

ザイツェフの笑顔が素敵で、もうそれだけでノックアウト席が遠かったのでずっとオペラグラスで追っかけていました。こういうときに2度目というのはいいですよね。他を見なくてもストーリーや伏線がわからなくなることはないから(こら~!)しっかり見れば見るほど、踊りもせつなくて素敵、役作りも細かいんです。私が他を全く見ずにずっとオペラグラスで追っかけても惜しくないと思う人はルジマトフぐらいですよ~。

彼がどうして内気で賢そうな文学少女の姉よりも、陽気で茶目っ気たっぷりのオリガに恋したのか、なぜオネーギンの振る舞いが許せなかったのか、ほんの遊び、冗談というのが通じなくて、どうしてあんな結末になってしまったのか。単なる若気の至りというのではなく、とても説得力のある演技だったように思います。あ~王子な彼も見てみたいわ。ジークフリートとか、アルブレヒトとか(勝手に言っていなさい!)

今週はもうボリショイが東京にやってくるけれど、しばらくこの「オネーギン」で(いや、ザイツェフのレンスキーに?)胸が一杯。壊れています。あとでまたあらすじだけ、忘れないうちに書いておきたいと思っていますが、とりあえずものすごく感動して何も手につきません そのくらいよかったですよ~

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