見逃した?~最近はまっているもの。
この間の新国の「ライモンダ」以来、舞台を見ていませんが、友人でハンブルク・バレエを見た人が「すごくよかった~!」と言っていたので、ちょっと「しまった」と思いました。私は最初からターゲット外だったものですから‥。
まず、こんな受験の時期で、しかも場所は遠い神奈川県民ホールと、安い席は何も見えない(?)と聞くNHKホール‥。そしてチケットすごく高い!(S席23,000円)それと、ノイマイヤーの作品は「ロミオとジュリエット」「椿姫」など、ガラで一部を見ていいなと思っていたけれど、クラシック中心の鑑賞の私にはまだ早い(!!)かも~?という感じだったのです。それと何といってもチラシの写真が不気味でした。確かにインパクトは強かったけど。まあ、今になって他の人の話を聞いて見ればよかったなんて言っても遅いですね。
今まで恥ずかしげもなく書いているとおり私はルジマトフのファンなので、早く「次」が知りたいと、結構頻繁にレニ国のHPと光藍社のHPを見ているのですが、なかなか更新されず、今年の夏に来るのかもわからない状態ですごく不安なのです。ルジマトフご本人は、あの「ミハイロフスキー・ガラ」で健在な様子を見せてくれてまずは安心しているし、本国ほか結構あちこちで踊っているらしいから、まだまだ踊る気はあるんだなと思うのですが、ことしのレニ国の冬公演の客席の入りを思い起こしても、もう来てくれないかも?などとちょっと不安です。
というより、今まであったチケットの束(!)が、今全然ない(ほんとによく見たものです‥
)というのが不安だ~!でも、これからしばらく見たいものがあまりないんです。興味あるのは5月にデンマーク・ロイヤル・バレエが来る‥‥というくらいかな。東京バレエ団はやたらフォーゲル君を売り物にしようとしているようですが、東京バレエ団のバレリーナとフォーゲル君の組み合わせというのはあまり触手が動きません。
あとは「ザハーロワのすべて」。もうとっくにチケットなんかないと思っていたら、今朝の新聞にも広告が出ていたのでまだあるんだ~。何か、ザハロワにアロンソ版の「カルメン」というと、ものすごく泥臭いイメージがしてしまうのは私だけかな?‥‥(チラシ写真のせい?)でも、ワシーリエフくんも出るし、去年のボリショイ公演で、私は見れなかったウヴァーロフやメルクリエフ、シュピレフスキーも出るのでいいですね。
ザハロワといえば、今月の「ライモンダ」の圧倒的な美しさはいまだに強く印象に残っています。好き嫌いでいえば苦手なほうだけれど、そんなことはあっさり超越したバレエ自体の美しさというか、そういうものを感じさせてくれました。ただ、どうなんでしょう。大スターと一緒の舞台に立つということで、新国のダンサーにとってはいろいろ勉強になったり、貴重な経験だったりするのでしょうが、ザハロワの美しさは持って生まれた肢体の美しさの部分がかなりあるし、もともとの出発点が全く異次元なので、そういう面ではどうなんでしょうかね~。
お勉強のためなら、どうせゲストを呼ぶなら、もっと身近な体型で(?)努力して技術や表現力を獲得した人のほうがいいような気がするけれど。それでも、ただただ超人的な美しさを思い知るというのもいいのかもしれません。なんて、よけいなお世話ですよね~
だけど見ていてあまりにも新国のダンサーと違いすぎるので、新国のダンサーにはお気の毒のような気もしました。
ザハロワですが、その「ライモンダ」の3幕のヴァリエーションで、眉を寄せてやたら悲しげ、苦しげな表情を浮かべているのが気になりました。めでたく華やかな結婚式の場面にもかかわらず、あのグラン・パはかなり哀愁を帯びたメロディーなので、そのメロディーの表現というのもあるかもしれません。そういえば、1月のレニ国で見たシェスタコワも、前半はかなりせつなげな表情でした。でもザハロワみたいに極端に暗く、苦しそうな顔ではなかったです。威厳は感じますが、あれじゃまるでジャンと結婚したくないみたい!それともこの踊りには何か特別な意味があるのかな?
それが、YouTubeでいろんな人の「ライモンダ」のヴァリエーションを見ると、これがまたみんな全然違うのに驚くんですね。ロパートキナは意外にも繊細で、優美で、柔らかな幸福感が伝わってくるようです。都さんはホントにキラッキラのお姫様だし、ギエムはまた全然違って、攻撃的なまでにぐいぐいと見る者に迫ってくるようなライモンダです。本当にこの3幕のヴァリエーションは、役の持つカリスマ性と、バレリーナのスター性をともに見せつけるような踊りなんですね。
最近、舞台を見ないかわりにYouTubeにはまっていて、暇があると見ています。ほとんどが2~3分、長くても10分以内なので気分転換には最適なんですよね。あれも、著作権的には限りなくグレーゾーンだと思うから、こんなところにリンクを張ってしまうのも考えものだけど、なにしろ特に最近は貴重映像垂れ流し状態なので、いつ規制されて見られなくなるかわからないから見ないと損!‥‥ぐらいに思って見ています。
中でもびっくりしたのは1972年の(37年前!)キーロフバレエの日本公演。NHKで放送された「ドン・キホーテ」です。全幕を13のパートに分けてアップされているのだけれど、こんな超貴重映像、当のNHKにももう残っていないと思います。何と亡命2年前の23歳のバリシニコフ!これがまた初々しくてかわいい!そしてメチャメチャすばらしい!
キトリはコムレワさん。コムレワといえば、キーロフの「シンデレラ」のDVDではかなり老けたシンデレラ
で、その作品自体もかなり微妙‥‥舞台は安ごしらえの70年代のドライブインみたいな感じだし、衣装も垢抜けなくて最低~!って気がして印象が悪かったのだけれど、このキトリは溌剌とした町の御姉ちゃんという感じで好感が持てました。
それから、何と森の女王がコワリョワ先生なんですよ!あのNHKのドキュメンタリー「プリマバレリーナをめざして」に登場した、ワガノワバレエ学校の、怖い魔女のおばあさんのようなリュドミラ・コワリョワ先生。それが‥‥個性派美人のコムレワさんに対して、クラシカルな場面にふさわしい正統派美人!30年後に魔女に化けるとはとても思えません
すごい威厳の女王様で、夢の場では完全に主役を食っていました。
そんなことも面白いんだけど、これ、何とイヤホンガイドみたいに、いちいち丁寧な解説が入っているんですよ。40年近くたつと日本語も大分変わってくるようで、死語や古風な言い回しのオンパレード!それで、セリフのないバレエを実況中継みたいにいちいち代弁してくれちゃっているので、うるさいのを通り越してもはや芸術品です。というか、これなら初めて見る人も分かりやすくていいですね。
「何でも金、金、のオヤジは、娘の恋人がしがない床屋なのが気に入りません。そんなに娘がほしけりゃ金持ってこい!」
「オヤジはキトリにおか惚れの金持ちのガマーシュに、何とか娘を片付けようと工作‥‥」
おか惚れ?工作?娘を片付ける?‥‥最近めったに聞きませんよね~。
キトリの父親のことをやたら「オヤジ、オヤジ」と言っているのも笑えます。でも、現代ではおかしいけど、たぶん解説しているアナウンサーはごく普通に「親父」というつもりで言っているんだと‥‥。現代では「オヤジ」のイメージが独り歩きしちゃったんですね。
「この二人、好き同士のくせに、若いながらもそれ相応の手練手管を弄します。」
「好きだの嫌いだのは古今東西同じと見えます。」
などとNHKのアナウンサーに大真面目に言われると噴き出してしまう!
そして最後に「ドン・キホーテ主従は再び諸国漫遊の修行の旅を続けるのでした。」
水戸黄門か~!
というわけで、人のアップしてくれた貴重な動画を、ただで存分に楽しむことができるようになったなんて、すごいですね。
またザハロワの話になりますが、この間の新国の舞台で、ポワントの音が彼女一人だけやたらカツンカツン響くのだけは気になりました。先月のレニ国冬公演ではどのダンサーも着地音は少なかったので、なおさらです。床とシューズの関係もあるのでしょうが、音は体の引き上げも関係しているらしい‥‥といったって彼女クラスの一流ダンサーが今さら引き上げもないだろうと思って、ちょっと娘のバレエの先生に聞いてみたら面白い話を聞くことができました。
日本人には少ないけれど、まれにすごい甲を持った生徒さんがいるのだそうです。そういう子は普通の子のように頑張ってつま先を伸ばさなくてもきれいに見えるから、いい条件なのに足の指の関節を使いきれてないことがあるそうです。逆に伸ばしすぎるとかえって前につんのめってバランスが取れないので、バランスを取るために極限までは使わないというか。それが何か影響しているかも?ということでした。
またX脚も見た目は美しく見えるけれど、それも極端になるとかえって回転などは難しくなってしまって、その状態で水準以上のテクニックをつけるというのは並大抵のことではないということでした。そういう人はむしろ膝を伸ばしきらない状態で回転したほうが回りやすいくらいですから。条件として、あくまでも脚はまっすぐがよく、むしろテクニックのためにはほんの少しO脚気味のほうがバネが強くていいそうです。私は自分ではバレエをやらないのでそういうことはわからないけれど、確かに、今まで音が響くと思った人はかなり甲があってX脚の人ばかりだったので、なるほど、と思った次第です。
よく、片足ポワントで立って、片足を曲げながらチョンチョン、と優雅に前進していくところで拍手が出たりしますよね。(ジゼル1幕のヴァリとか、ドルネシアのヴァリとか)そんなに難しそうな技には見えないのに、なぜあそこで大拍手?と思うのですが、あれは割と日本人には何ともないけれど、甲があって身体条件のいい人ほど難しいのだとか。美しく見えるバレリーナでもいろいろ大変なことはあるんですね。
まだ次のバレエの鑑賞予定はないけれど、こんなふうにぼちぼち楽しみたいと思っています。















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