バレエマンガも好き 4
バレエに関するマンガはいくつかありますが、今月初めまでに現在進行中のもののコミック新刊が出そろいました。私は連載読者ではなくてコミックだけですが、不思議なことに大体同じような時期に新刊が出るんですよね。連載のペースが一緒?ということでしょうか。(というより、私が勝手にそう思っているだけね。)
マンガは子どものころはよく読んでいて、本当にマンガからいろんなことを教わったように思います。でも、私は一番はまりそうな中学・高校の頃にぱったり読まなくなってしまったので、その後のマンガ史もわからなければ、有名作品もごく古いものしか知りません。要するにマンガに詳しくはありませんが、バレエ好きということで、バレエのマンガだけは大体読んでいます。
バレエマンガって、身体で表現するものがテーマになっているわけだから、デッサンが正確でないと話にならないですよね。だから、バレエを題材にしているマンガはみんな丁寧できれいな絵を楽しむことができます。へたくそできたない絵のマンガは見る気がしないのですが、その点バレエマンガは絵だけでも十分鑑賞にたえるし、ストーリーも面白かったらいうことありません。
そんなわけで、新刊が出るとちょっとした感想を残したりしていましたが、何と、それも早くも4回目だったんですね。3回目は昨年の9月でした。引き続き、また備忘録的感想を書いておこうと思います。
有吉京子「まいあ」 3 (1月30日発行)
言わずと知れた名作「SWAN」の後続の物語。絵は「SWAN」同様きれいでいうことないんだけれど、何かもうひとつ読んでいてのりきれないのはやっぱり主人公に魅力が乏しいのかな。読んだのはもうだいぶ前で、時間がたって忘れてしまったので、ちょっと読み返してみたけれど、忘れちゃう程度のものかな~という感じ。
主人公のまいあは、本編「SWAN」の真澄とレオンの娘で、パリ・オペラ座バレエ学校の生徒。バレエは大好きだけれど、おっとりした性格で、それがすごく甘いと友達からも言われ、自分でも思い悩んで一生懸命変わろうとしている。それがずっと続くのでまだるっこしいというか‥‥何でそんなに変わらなきゃいけないのか、はたから見ててわからない。周りはガンガン自己主張する奴らばかり。そんな同級生と同じにならなくてもいいと思うんだけど。
学校公演の「二羽の鳩」で思ったような役をもらえなくて落ち込んだり、また友達に刺激を受けて「少女の友人」役を頑張ったり、コールドの大切さに気付いたり。ずっと主人公まいやの目線だけで描かれているのがちょっと単調。
後半は型破りな転入生が現れたり、日本公演があったりで気分が変わってよかったけれど、ず~っとこのまま、まいやがくよくよ考えたり、それじゃダメっ!と突然しゃかりきに自己主張をしてみたりするようなストーリーが続くのかな~と思ったら、この作品やっぱり苦手かも‥‥‥。前号みたいにレオンや葵さんが登場してくれたらいいのにね~![]()
現実のパリ・オペラ座バレエ学校は、今まさに日本公演のまっ最中です。私は見に行かないけれど、写真で見る限り本当に天使のような、何の曇りもない、素直でピュアな子どもたちですよね。あの子たちもこんなふうに思いきり自己主張したり、友達にあらぬ忠告をしたり、ウジウジ思い悩んだりしているんだろうか??選び抜かれた未来のスターたちの公演を、やっぱり見ておけばよかったかな?今回は演目が地味なせいか、あまり見たいと思わなかったのが残念です。
槇村さとる「ドゥダダンシン!」ヴェネチア国際編 5 (3月24日発行)
前回も、前々回もハラハラドキドキの展開でしたが、やっと落ち着くところに落ち着いた感じですね。3巻、4巻と続いたコンクールもいよいよ決着がついて、主人公鯛子は新たなステージへと飛び立ちます。
この作品が面白いのは、いろんな人の目線で描かれているところです。本人目線はもとより、コンクールを取材している記者の目線、愛子先生や冴子先生、鳴海先生などの先生目線、そしてなにより観客の目線。これがあるから本当にこのコンクールを一緒になって見ているような気になってわくわくしてしまうんですよね。
また、ウォン・リエ、小泉レナ、倉田真理、静香さん、容子さん、そして三上くんなど、登場人物一人一人の境遇も丁寧に描かれているので、その人物の変化や成長ぶりもまた生き生きと伝わってきます。そしてみんな何て魅力的な人たちなんでしょう!
コンクールの審査は難航を極め、決着がつかなかったため、受賞者が出場するガラ・コンサートにまで持ち込まれました。龍一王子と組んでいた鯛子はパートナーをウォン・リエに替え、決戦に挑みます。二人、それぞれの人生、それぞれの思いを込めて踊る「白鳥の湖」のグラン・アダージョ。ダンサーの身体を通り越して観客に伝わる熱い思い。それを言葉のない絵だけの大きなコマ割りで延々12ページも続くところが、動かないのに、まるで動いてるような臨場感ですばらしい!
一方、天才少女小泉レナは、母の「どんなことをしてでも」という思いを知り、突然思いもよらなかった行動に出ます。家族の庇護から解放され、自らのハンディを隠さず、ありのままの自分を試してみたくなったのか‥‥。
この作品で素敵なのは、いわゆる敵役的な位置づけの人まで、登場人物のほとんどがバレエを通して何らかの気づきを得ているところだと思います。このレナちゃんしかり。三上くんに謝る倉田真理しかり。。誰もおろそかにしていないところに、作者の登場人物全部に対する愛を感じます。コンクールが終わり、それぞれの道が決まり、みんなまた新たな道を歩み始めて行く。今後の展開もすご~く楽しみです。(龍一王子だけがちょっとかわいそう~
)
山岸涼子「テレプシコーラ」第2部 2 (3月29日発行)
あっと驚く幕切れで終わった第1部の続編。16歳になった六花(ゆき)がローザンヌ国際バレエコンクールに参加するところから始まる第2部の2巻目です。アクシデント続きでローザンヌに着き、やっとレッスンが始まりました。ここではバーに着くのも勝負のうち。だけど六花は出遅れて隅っこの場所しか残っていません。。。こんなことで泣かなくても‥‥。ま、1巻からずっとこんな調子だったのですが。
謎の東洋系アメリカ人のローラ・チャンがいよいよ前面に出てきます。すごい存在感があって身体能力も抜群だけど、一言もしゃべらず無愛想。巷の噂だと、これは第1部のはじめに重要な位置にいながら途中で消えていった、あの空美ちゃんが整形(!)して再登場したものだという話があるらしいけど(!?)まさかね~。あのときは小6で、現在は高1。4年たっているけれど、いくら顔が変わってもあそこまで特異な身体能力があったわけだから、もしそうなら踊りを見ればわかるのではないかな‥‥?それともさらに進化していて、子どもにはわからないのかな。いずれにしても、ミステリアスではあります。
相変わらず主人公はちょっとのことですぐ不安になって、焦ったりめそめそしたりするんだけれど、そのたびに姉の千花ちゃんのことを思い出し、しっかりしなくちゃと自分に言い聞かせます。千花ちゃんならこうするだろうとか。しっかり者でバレエでも超優等生だった姉の影を背負い、六花ちゃんはどこまで頑張れるのか。また、振り付けや即興などで、既成概念にとらわれない自由な発想ができる彼女のよさが、これからどう花開いていくのか楽しみです。
まだ本格的な審査は始まらなくて、本当にゆっくりのペースなんだけれど、丁寧に取材したと思われるコンクールの舞台裏の詳細部分、コンテンポラリーや即興などの教授法、ヴァリエーションの解説など、ストーリー以外にも興味ある内容が盛り込まれていて面白いです。ただ、この調子でいくと予選、決戦を経てコンクールが終わるまで、まだあと何冊も(何年も?)かかりそうですよ。
ちょうどこの間の日曜日に、ローザンヌ国際バレエコンクールの決戦の模様が放送されましたね。私は録画したまま、まだクラシックヴァリエーションの最初の方しか見ていないのですが、ことしは日本人や中国人、韓国人など、東洋系の人がたくさん決戦に残っていました。去年は確か日本人は一人だったような。その年によって大分違うのでしょうが、何かことしは「ラ・バヤデール」のガムザッティと「コッペリア」のスワニルダのヴァリエーションがやたら多かったですね。この「テレプシコーラ」の中にあった、「難易度が高くてもその分、成功すれば上位を狙える」という先生の独白部分そのまんまなので、へぇ~と思ってしまいました。テレビの録画は、この連休中にゆっくりと見ようと思います。
曽田正人「MOON」 3 (4月4日発行)
こちらは現在映画が公開中の「昴」の続編です。映画はまだ見ていないのですが、やはり連休中に見てみたいと思っています。(何か突っ込みどころ多そうに思うけど‥
)
前巻のいや~な終わり方で傷ついたすばるのもとに母が訪れて、さらに追い打ちをかける。。。この母は何の悪気もないのに、最初から微妙にすれ違っていて、前作の「昴」にもあまり登場しませんでした。今回、母に会うことでさらにすばるの孤独が深まってしまう皮肉。傷ついて踊れる状態ではないはずなのに、やはり踊ることを選択したすばると、何やかやあって舞台リハができないまま臨む盲目のパートナー。その「椿姫」が始まります。
しかし‥‥公演名が「ミハイロフの贈り物」で、ミハイロフ本人が踊るのが「ヴォヤージュ」って、モデルまるわかり。ま、いいか。踊り終わったばかりのミハイロフが舞台袖ですばるを元気づけるところ、いい人だ~。
今回はとんでもないこともなく淡々と進んできたなと思いきや、踊りが始まり、いよいよクライマックスというところで、何と雷で場内が停電し、舞台照明も落ちるというアクシデントが‥!!突然真っ暗になったのに、舞台上の二人はまだ踊り続けているという、この作品らしいあり得ない展開にびっくり。。そして、真っ暗なのにオーケストラは演奏を続けられる不思議。(ノイマイヤーの「椿姫」ってピアノだけじゃなかったっけ?)
主催者はありったけの懐中電灯をもってこさせ(真っ暗なのにどうやって
)舞台を照らします。照らし出されたその様子に観客唖然。(私も唖然!)盲目のニコと、子どものころ、明かりもない暗い病室で踊っていたというすばるならではの暗闇の超絶パフォーマンスだったのでした!
日本公演も終わって、最後のすばるの言葉がまたふるってる。「いっつも何かあってさあ‥‥そういうのバネにしてがんばるの、もう飽きたんだよね」ですって。そしてまた新たな局面に向かって進んでいくのでした。あは、も~勝手にやってください。次の段階で待っていそうな有名振付家というエリクソン氏も実在の誰かに酷似ですね~
突っ込みどころたくさんあるけれど、一応期待しています。
バレエマンガにしては作画が荒くて、線もきれいではないんだけれど、そのためにかえって迫力が伝わってきて、いつもあり得な~い!とかウッソ~!と思うのにぐいぐい引き込んでくる何かがこの作品にはありますね。でなきゃこんなにいつまでも読んでないわという、そんなマンガだと思います。
マンガと侮ることなかれ。どの作品もすごく面白かったです。(わたし的には「まいや」を除いて
)


























































最近のコメント