ルジマトフ 最後の「バヤデルカ」‥だって?!
あ、あ、あ、こんなことがあっていいのでしょうか?
まだ7月の公演もあるというのに、気持ちはすっかり来年のお正月明けにすっ飛んでしまいました。来年1月、何とあのルジマトフが再び全幕を踊るのです!うれしい~!
7月に予定の「シェヘラザード」も素敵ですよ。「阿修羅」だって、もうこの上なく美しい。でも、やはり彼の真骨頂は全幕物で紡ぎ出す物語。演技とも素とも区別できない役への深い入り込み具合だと思うから、また日本で「バヤデルカ」のソロルの物語を奏でてくれること、それはファンにとってはこの上なくうれしいビッグニュースでした!
芸術監督になって、クラシックを踊らなくなって何が一番淋しかったかというと、この全幕を演じる姿がもう見られないのかということでした。だから、この知らせを耳にした時はもう夢かと思いましたよ。DM、私のところにはまた届くのがとても遅かったのです。先週から届いている人もいるのに
やっぱり話に聞いていていても、HPにアップされていても、手元にお知らせを見るまでは‥‥(?)こんなに待ち望んだDMというのもなかったかも‥‥!?昨日、無事届きました
待ってたよ~。
2年前(というか、3シーズン前)に、私が見て完全に陥落してしまった舞台の数々は、あれが最後の「海賊」、最後の「白鳥の湖」、最後の「ジゼル」、最後の「バヤデルカ」になってしまったのかと淋しく思っていたけれど、そうじゃなかったんですね。これはやはりプロモーター側が相当努力というか、説得をされたんじゃないでしょうか??一昨年の芸監就任時に「もうクラシックを踊るのは難しいだろう」などと本人が宣言したときは、本当にショックでした。
確かに、「海賊」も「白鳥」も、すでにそれより何年も前から日本でしか踊っていないという状態だったようですし。「海賊」のアリは若手花形の踊る役だし、「白鳥」のジークフリート王子も20歳の誕生日という設定です。だから、というわけではないだろうけど、ご本人も‥どうだったんでしょうね?何だか複雑な気がします。かといって、コンラッドやロットバルトをやれるかというと、そうもいかないでしょうし。
やっぱり今、何か一つ全幕で踊るとなると「バヤデルカ」なんでしょうね。「バヤデルカ」のソロルは、「海賊」のアリ、「シェヘラザード」の金の奴隷と並んで、はまり役ですからね。「栗塚旭=土方歳三」みたいなものです。彼はプライベートでもインドを旅しているということですから、この役に対する思い入れはまた格別なものがあるのでしょう。
事実、私は生ではルジマトフのソロルしか見たことがありませんが、映像ではいろいろ出ています。イレールとか、ムハメドフとか。あと、ボッレみたいなヴィジュアル的にも美しいソロルはいます。だけど、どれを見てもソロルってほんとに情けない男なのよね。その超情けない男を、人間の業や愚かさも含めて、この上なくせつなく、哀しく、この上なく美しい愛の物語として演じきるルジマトフ。。。あ~ほめすぎ?
一方、「バヤデルカ」のソロルは演技的にも難役だけれど、踊り的にも1幕から出ずっぱりでかなりハード。特に2幕の婚約式の華やかなヴァリエーションは、もうブルーバード以上にジャンプの連続で‥‥正直大丈夫かなという思いはあります。何か、私って見ていても全く気付かなかったのだけれど、前回の「バヤデルカ」のときにはこのヴァリエーションを省略したということで非難もあったといいます。そんなことまでして主役を踊るのか‥‥というか、ファンとしてはそれでも見たい!というのがホントのところですけどね。
自分で満足するものが見せられないなら、省略するのが潔いのか?それもわかりません。事実、好きなダンサーで、もう引退したほうがよくない?‥‥なんていう踊りを見るのはたまらないと思います。まあ、ルジマトフの場合はそんなことは絶対ない!これを受けてくれたということは、やはり彼にとっても大きな挑戦だろうし、きっと奇跡のような舞台を見せてくれることを信じています。
あと、私の希望としては「ジゼル」をぜひもう一度見たい。あの、ジゼルが花をバラバラ落とすところで涙があふれて何が何だかわからなくなっちゃった2年前の「ジゼル」。あの感動をもう一度!でも、踊ってくれるなら本当に何でもいいです。チラシにも最後の「バヤデルカ」とは書いてあるけれど、これが最後の全幕主演とは書いてないみたいですから。まだ期待はできるのかな?
ファンとしてごく新参者の私が言うことではないと思いますが、過去の映像などを見るにつけ、ルジマトフは技術的にはものすごく若いうちにピークを迎えてしまったダンサーだと思うのです。DVDになっている86年(26歳?)の「ドン・キホーテ」の3幕のヴァリエーションなどは本当に見事と言うしかない。天才的!パの正確さ、ジャンプの高さ、のびやかさ、ダイナミックさなど目を見張るばかりです。だけど、30代になるともう既にピークを過ぎた人のような言われ方をして、私が初めて見た2000年(37歳)でも、こんなものかなあ(超ごめん!!)と思ったくらいでした。
でも、「ルジマトフ四大傑作選」というDVDには、2000年以降の舞台が断片的に入っているのですが、それを見るとまた違った感動を覚えます。月並みに「表現力」といったらいいのか、独特の雰囲気といったらいいのか、全身から匂い立つような香気というのか、いわゆるオーラですね。そんなものをそれこそ何重にも身にまとって神々しいばかり!
以前テレビで放送されたイヴリン・ハートとの「ジゼル」なんて、ハートは当時50近い大ベテランだったと思うし、ルジマトフも調子はおもわしくなくてヴァリエーションの振り付けも変えていたりしますが、そこから醸し出される詩情というか、魂の物語は何度見ても引き込まれます。技術的にすごい人はこれからもたくさん出てくるだろうけど、こういう心を打つ物語を踊れる人はそうそう出てこない‥‥私はそう思います。
来年はニーナも「ロミオとジュリエット」をひっさげてやってくるし、本当に楽しみ
ルジ様ももうすぐ46歳の誕生日ですね~。ニーナも同い年。思えば私がバレエのバの字も知らない頃に、この大好きな二人がペアになって「ドン・キ」のグラン・パなどを日本で踊っていた夢のような時代があったんですね。あ~何だかわからないけど、見れなかった時間が恨めしい。その分、大ベテランになった彼らを絶対に見逃したくないと思っています。
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