佐倉というと、もう成田空港に近くて、そばには印旛沼があって、東京の西の端に住む私にとっては何だか地の果てみたいな気がします。その佐倉から、また京成で勝田台まで戻り、東葉高速線というのに乗り換えると、何といきなり「三鷹行き」などという電車が来るので、急に近くなったような気分
変ですね~。
乗り換えて三つ目の八千代緑ヶ丘からバスで5分ほどで京成バラ園へ。歩いても15分以内ではないでしょうか。バスを降りるとすぐにもうバラ、バラ、バラの世界!特に入り口のアンジェラのフェンスには圧倒されました。そして中に入ると、今度はピエール・ド・ロンサールのフェンス仕立て。今一番人気のあるバラですよね。
同じピエール・ド・ロンサールでも、ピンクが濃くなくて白っぽい品種もありました。白ではなく暖かいクリーム色で、中心がほんのりばら色のブラン・ピエール・ド・ロンサール。こちらもとても気品のあるたたずまいです。素敵~!
入り口には「五分咲き」と表示がありましたが、中央の整形式庭園の現代バラ(ハイブリット・ティ、フロリバンダ)は全部咲いていました。まだつぼみもたくさんあって、これからしばらくは次々に咲き進むのでしょう。こうやって写真で見ると、まだ全然のような感じですが、1番花の真っ盛りといったところでした。
HPの「開花情況」によると、ことしは10日ほど遅れているそうです。うちにあるバラはG.W後にはもう咲き始めていたのに、遅いなんて意外でした。その後の低温が響いたのでしょうか。ことしは6月中旬まで楽しめるそうですよ。
本当に色とりどりで、花も大きく華やかな現代バラですが、私のお目当てはちょっと違います。本当のお目当ては入って左側の小高い丘のようになっているイングリッシュ・ローズのコーナー。
これはうちにもあるイングリッシュ・ローズのエヴリン。うちのは鉢植えですが、ここではとても大きな株に、数えきれないくらいたくさんの花がついています。うらやましい‥‥!初めてここに来たときは、まだこのエリアは植えたばかりで、木もそんなに大きくありませんでした。5年ほど前、最後に訪れたときには、ようやくこんもりとした樹形に育ってきたなという感じでした。
それでもあの頃は、木と木の間はかなりあいていたのに、今ではもう間がくっつきそうなほど木が大きく成長していました。大体1品種で1~2株ずつしか植えてありませんが、どれもたくさん花をつけた大株に育っていて、本当に見ごたえがありました。写真はザ・ハーバリスト。目にしみるような透明感のあるピンクです。
こちらはスノー・グース。イングリッシュ・ローズを見たいなら、関東では断然ここですね。昔はイングリッシュ・ローズといえば岐阜の花フェスタ記念公園にしかないと言っていいくらいでしたが、これだけ揃っていればもう岐阜まで行かなくても十分です。
ただ、毎年次々に新しい品種が登場しているので、ここにあるのはいってみればごく初期の品種ばかりかな。だけどイングリッシュ・ローズはどれも、花形も、色も、そして香りも、みんなうっとりするほど素敵ですよね。
真ん中の整然とした現代バラ達を挟んで正面あたりに、オールドローズが植えてあります。それから右奥の自然風庭園には原種系のバラ。こちらのほうは見ごろはまだまだでした。大好きなローブリッター、このたくさんのつぼみを見てください。これが全部開花して、コロコロしたかわいい花が一面にこぼれている様子が、やっぱり見たかったなぁ~。
そして、楽しみにしていたフランソワ・ジュランビルの大アーチはまだ全然咲いていませんでした。かなり大きくなるつるバラ(シュラブ?)で、多摩地区には神代植物園にも、向ヶ丘遊園(生田緑地)にも多分ありません。サマースノーをピンクにしたような、とても可憐で愛らしい花なのです。(今は枝変わりの「ピンクサマースノー」というのがあるけど、ピンクだったらもはや「スノー」じゃないだろう!)
初めて見たのは、同じ千葉の谷津バラ園のパーゴラ仕立てのものでした。花は小さめなのですが、雰囲気がとても優しくて、大好きな品種になりました。今回は時間がなくてそちらへは行けなかったけれど、ここで見られると思ったのに‥‥。谷津でもまだ咲いていないのかしら?そして、前回紹介した「草ぶえの丘」の前身の「ローズガーデン・アルバ」にも、フランソワ・ジュランビルの立派なパーゴラがありました。下のベンチに座って見上げると、上からうつむき加減にしなだれ落ちるたくさんの花々が風に揺れて、何ともいえない風情でした。‥‥今は昔。いいな~と思いますが、苗を売っているのは見かけないし、第一、うちの庭のようなところでは狭すぎて無理です。。。
このオールド・ローズのコーナーで、ぞろぞろ前を歩いていたおば様たちが話していた言葉。「やっぱりバラは土地の広さ!それに尽きるわね!」そう、オールド・ローズに限らず、狭いところにこせこせ植えて剪定しまくっていたら、その品種本来の良さが出ないように思います。
入って右側の温室では「香りのバラ展」というのをやっていました。特に香りのよいバラを集め、鉢植えにして展示していました。中でもイングリッシュ・ローズのグレイスというのが気に入りました。何だか不思議な香り。花は花びらが全部反り返って、まるでダリアのようです。写真もあったのですが、なぜかファイルが壊れてしまった?ようで表示できませんでした。お見せできなくて残念。
ほかにはハイブリット・ティ(HT)のブルー・パフュームという、青バラ系のとても香りが強い品種や、鈴木省三作出の芳純(資生堂の「ばら園」シリーズの香りのベースとなった品種)などが展示されていました。現代バラにも香りの強い品種があるのです。とくに芳純は香りの質もすばらしいです
私は最初、バラの香りに興味を持っていたので、このプルー・パフュームと芳純は当然のように庭に植えていました。だけどHTは初心者には難しい
ようで、黒点病の嵐で1年足らずでだめになってしまいましたね
それと花が立派過ぎるし、色もきつすぎて今の趣味には合わないので、こうやってたまにバラ園に来て香りを楽しむ程度で十分かな~。
京成バラ園には、こんなに素敵なテラスがあったり、売店やレストランもあって、本当に無理してあちこち回らなくても、ここだけで十分バラを満喫できますね~。前回紹介した「草ぶえの丘」は、何が何でもオールドローズが好き!というマニアックな人以外は、遠いし、無理して行かなくてもいいかもしれません。オールドローズの主なものはここでも見られますし。
千葉のバラめぐりは、普通に花を楽しむなら「谷津バラ園」⇒「京成バラ園」がおすすめかな。京成バラ園が後なのは、苗が買えるから。谷津バラ園でも売っていますが、売り場面積が全然違います。品種もありとあらゆるものがあるというほど豊富。苗の形状も小さな新苗から大苗の鉢植え、スタンダード造り、つるバラの長尺ものなどいろいろあります。
ただ、オールド・ローズの新苗で2100円というのは、ホームセンターなどに比べるとずいぶんお高いようで‥‥‥。もしほしい品種があるなら、あらかじめ近所のホームセンターにあるか見ておいてから買ったほうがいいかも。遠くから苦労して持ってきたのに、近くでずっと安く売っていたなんてショックでしょうからね。ただ、品質はいいものだと思います。品種もとても豊富なので、ほかではないものもたくさん揃っていると思いますよ。
イングリッシュ・ローズも豊富にありました。ただ、イングリッシュ・ローズはライセンスがあるようで、新苗というのはなく、全部3900円?の大鉢だと思います。これはどこで買っても多分同じ値段。花がたくさんついていてきれいでしたが、持って帰るのはかなり重そうです。車で行かないと大変でしょうね。ただバラの期間の土日は周辺の道路がとても混雑するそうですよ。
写真はイングリッシュローズで、上がメアリーローズ。下はローズマリーです。ことしは念願の千葉に、5年ぶりに行くことができました。時期がまだちょっと早かったみたいですが、天気にも恵まれ、まる1日バラ三昧ができました。
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