娘の学校の修学旅行の説明会がありました。6月中旬、京都へ2泊3日です。何でいつもこんな季節なの?梅雨時なのに。どうしてもっといい季節に行かせてもらえないのかなと思うこともあります。5月中に修学旅行に行った学校もあるというのに。
ゆとり教育で時間数が少ないところへ学校行事は以前どおりです。3年生は受験があるから2学期は忙しいし、5月は体育祭があるし、何も行事がないのが6月しかないから?それと多分こんな季節だから宿泊料金が安いのかもわかりませんが。
例によってまた体育館での説明会。スキー教室のときは極寒地獄だったけど、今度は灼熱地獄に近い蒸し暑さでした!暑いから窓開けるのはわかるけど、午後は西日がガンガン当たって気持ちが悪くなるほど。学校って過酷なところなんですね~
それで説明を聞いたのですが、のっけから「え~!」でした。自分の行った修学旅行と何てかけ離れていることか!
まず荷物。当日は小さなバッグやリュックだけで移動できるように、荷物は前日までに作って、前日の朝学校にもってくるそうです。荷物だけお先に京都の宿舎にご到着。帰りはその日の朝に荷造りして、帰る頃には学校に届いているらしい。まあ、何て過保護なの!(でもどうせなら家まで届けてもらったほうが‥‥)
次にお土産。「行きの新幹線の中でお土産を予約できます」だって。何?それ?
八ツ橋とか柴漬けとかをあらかじめ注文しておくと、帰ったら宅配で家に届いているんだって。便利かもしれないけど、それって中学生のすること?年寄りの旅行ならわかるけど、中学生だよ~!何か変じゃありませんか?
そしてきわめつけが行く場所です。
1日目がそれぞれ希望ごとに分かれて「ものづくり体験」。①がくみひもで携帯ストラップをつくる。②が和菓子。③が友禅の型染めでTシャツか巾着。④は焼き物で茶碗かマグカップだそうです。娘はTシャツを希望していたけれど、人数の関係で和菓子になったそうです。それでも本格的な練り物の生菓子を3種つくるというので、記念には残らないけど、この中では一番いいんじゃないの?
そのあとは座禅体験と法話。一応宗教行為なので、宗教の違いで参加できない生徒は庭の散策になるそうです。そんな説明が必要な時代なのかしら。そして夕食後に能と狂言の鑑賞。本当に盛りだくさんですが、もう、これは多分ほとんどの子が寝るでしょうね。
私が中学生の時は、ただ団体でぞろぞろと寺院を見学するだけでした。それが、今はすごいことになっているんだなあと思います。でも、そんなことほかでもできるんじゃないの?とは思わないのかなあ。
私がまず覚えているのは、バスの中から見た東本願寺だか西本願寺だかの、街中に突如現われた伽藍の壮大さ!もうあれは感動ものでした。一体何??見学はしなかったけれど、本当に未知の世界で、あんなに巨大な寺は生まれて初めて見た!そのインパクト!ほんとはそういうものが必要なんじゃないかと思うのは私だけでしょうか。
うちの子は私の趣味で京都は2回ほど行っています。でもほとんどの子は初めて。それならちまちまと体験学習なんかするより、もっと何か先にすることはないの?と思ってしまいますけどね。
2日目はグループに分かれて一般の交通機関で奈良に日帰りツアー。みんなで一緒に見学するのは東大寺と春日大社ぐらいしかないそうです。でも、京都はもっとひどい。3日目は3~4人の、さらに小グループで、タクシーで京都めぐりだそうです。もう、子どもがタクシーなんて、何てぜいたくなの?!
というか、みんなで一緒に行くのは1日目の大徳寺(座禅)だけだなんて、何だかとても淋しい気がします。確かに京都は言ってみれば都会なので、かなり前から修学旅行の生徒たちを快く思っていない雰囲気はありました。大型観光バスは渋滞のもと。団体でぞろぞろ歩くのはうるさい。グループ行動で路線バスに乗ると、一般の乗客に迷惑がかかるとか、いろいろ言われていましたね。ぜいたくというのではなく、そういうことなのだったら本当に淋しい。みんなで一緒の行動もできないし、公共の交通機関をつかって地元の人の中に入ったりするローカルな体験もできないなんて。
それで事前の調べ学習をたくさんやって、子どもたちでグループごとに行き先を決めました。一覧表を見ると金閣寺と清水寺が人気のようです。うちの子の班はその両方と、龍安寺、それから今宮神社です。今宮神社??ほかにはこんなマイナーなところへ行く班はありません。これは全くうちの子の希望でしょうね
門前の「あぶりもち」の話をしたらみんなが食べたいと言ったのでしょうか?まあ、そこでしか食べられないから、わざわざ行って京都の味を体験するのもいいかもしれませんが。
壬生寺に行くという班が二つあります。新選組はいろんなマンガに描かれていますが、最近はちょっと違うんじゃないの?みたいなものもあって、実際の姿とはかけ離れたところでブームになっているようですけどね。(昔、私が夢中になっていたときもかけ離れてたと思うけど
)それでも「風光る」とか「月明星稀」までは何とかついていけるけど、「ピースメーカー」?とか「銀魂」はもはやついていけそうにありません。でも、そういうものを読んでこの時代を知って、実際の彼らの足跡に触れてみるのはいいことだと思います。壬生寺だけでなく、近くの八木邸、前川邸、山南さんの墓のある光縁寺まで見ると、現実の姿が少し見えてくるのではないかと思います。マンガのキャラクターではなく、実際に生きた人々として。
うちの娘も壬生寺を主張したらしいけど、そのグループでは却下、だったそうです。「まあ、2回も行ったからいいけどね。屯所餅(八木邸を見学すると食べられる)が食べたかったな~」とのたまふ。アンタは食べるものしか興味がないのか!?
他を見ると、大体主な観光地ですが、中には錦市場とか六波羅蜜寺、豊国神社などしぶ~いところも。その中で一つだけ私の知らない場所がピックアップされていました。珍皇寺って何?
調べたら六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)というそうです。建仁寺の南、八坂通りから少し入ったところのようで、近くを通ったことはあるけれど、知りませんでした。何でも小野小町の祖父、小野篁の像と閻魔大王の像があるそうです。ここは六道の辻といわれ、あの世とこの世の分かれ目の場所だとか。盂蘭盆会には先祖の霊を迎えるために、不思議なお堂の中に封印された迎えの鐘というのをつくそうです。小野篁はこの寺の井戸を通じてあの世とこの世を行き来していたとかいう伝説もあり、陰陽師で有名な安倍清明と並んで、オカルトチックな存在なのでしょうか?これもマンガか何かの影響?
ほかにも幽霊子育飴とか、いろいろ面白いことがわかりました。平安時代は人が死んだら街外れに持って行き、鳥葬か風葬。東はこの辺の鳥辺野といわれる一帯。西は嵯峨野の化野(あだしの)あたり。それが、なんと井戸でつながっているとか、小野篁はここの井戸から入って化野から出てきたとか、不思議な話がいっぱいありました。祇園の一力から建仁寺、東山通りを渡って八坂の塔というコースが好きだったので、今度行ってみようかな。。
え~と、脱線しましたが、そういうマニアックなところもいいけれど、何といってもまず見るべきは三十三間堂、二条城、それから平等院ではないの?と思うおせっかいな親。清水もいいですが、清水は一度は行っておいたほうがいいなどという場所ではなく、行ったら必ず、嫌でも行くところという感じですからね。
三十三間堂の薄暗い中に、金色に輝く仏像が物言わずびっしりと並んでいる圧巻!いくら事前学習してもそれは知識でしかなく、何も勉強して行かなくても、あれを一目見たときの得体の知れない驚きったらないはず!二条城も、教科書に載っている大政奉還の絵のとおりの大広間。そしてあの敷地の広さ、桃山文化の豪勢さ。それを見ずに歴史なんか勉強してもつまらない!もう有無を言わさず一人残らず連れて行って見せてやってほしいですけどね。そして平等院の壮麗さ。平安貴族のあこがれる浄土とはこういうことかと。本当に百聞は一見に如かずなのですから。
それを見ずして、壬生寺や六道何とかもないだろうと思うのは私だけでしょうか?せっかく初めて京都に行くのに、もったいないと思ったのでした。
ほかには服装のことなど。宿では私服ですが、外に出るときは制服着用とのことです。数年前まで私服だったそうですが、お寺を拝観するのにサンダル履きやへそ出しルックの子がいて、苦情が多かったとか。リゾートではないのだからそれは仕方ないですね。拝観というのは拝み、観覧させていただくということだから、それにふさわしい服装というのは当然だと思います。
かわいそうなのは夜間の外出禁止です。私が修学旅行で京都に行ったときは、宿が新京極の近くだったので、夕食後に門限付きで買物に行けたのです。新京極は今はファーストフードやファッションの店もあって普通の繁華街のようですが、昔は今よりずっと、もうびっしりとお土産屋が並んでいたと思います。そのお土産屋めぐりの楽しかったこと!一番思い出に残っているのは、この夜の新京極だったといってもいいくらいです。
今考えればちゃちなものかもしれませんが、そこに並ぶ一つ一つの品物が関東人にはすごいカルチャーショックでした。西陣織のカバーのついた櫛や手鏡、匂い袋。清水焼のミニチュアの絵皿や壷。美しい扇子や手漉きの便箋など、限られたお小遣いの中で、もうどれを買おうかさんざん迷ったものですけどね。今は物があふれる時代で、地域差もほとんどなくなってしまいましたから、そんな子供だましのお土産ものなどには目もくれず、行きの新幹線で注文した八ツ橋なんかをおじいちゃんおばあちゃんに渡したりするのでしょう。何だか淋しい気がします。
「お土産は何がいい?」と聞かれ、間髪をいれずに「阿闍梨餅!」と答えたのですが、どこに売っているかというので、伊勢丹は行けないだろうから、帰りの新幹線のコンコースでいいよ、と言ったら、京都駅では買物禁止なのだそうです。どうして~!?それで、自由行動のときに行くところで、店がないか調べたら、清水坂のところにありました。忘れないで買ってきてね!!
ほかにも宿ではお菓子禁止で、お菓子は新幹線の中だけで、余ったら回収。帰りの新幹線に乗ったとき返却??とか、勝手にペットボトルなどを買ってはいけないとか、毎晩1本ペットボトルのお茶を支給する??とか、わけのわからない注意がたくさんありました。私が中学生のときには思いもしなかったことです。
先生たちの目から見て、有意義な体験をさせたいと思うのは親心でしょうが、何だかピントがはずれているようないまどきの修学旅行。もっと、基礎知識なんかなしに、「どうだ!これを見ろ!」と言われて、いきなりドカーン
とくるような感動を味わう!例えば金閣を見たとき、例えば大仏殿を見たとき。それが王道だと思うんだけど。さて、どんなことになるのかその感想が楽しみです。うちの子はもう大抵のところには行っているので、「別にぃ、フツーだよ~」などと言われてぶちきれないように、期待するのはやめておこうと今から思うのは淋しい‥‥?ですね。
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