エレクトーンのコンサート
ちょっと前のことですが、先週、友人のプロデュースするエレクトーンのコンサートがありました。
彼女は今はただの主婦(とご本人は言っています)で、元エレクトーン講師です。そして、プロのデモンストレーターの「師匠」という人と、それから彼女の家に集まる生徒さん。といってもコンクールに挑戦するくらいのレベルの方がお二人。このメンバーで定期的に彼女の家で「勉強会」をやっているそうなのですが、それがあんまり楽しいので、この雰囲気をそのまま舞台にのせたら面白いんじゃないかということで企画されたコンサートでした。
その日のお客さんはほとんど、子どもたちにエレクトーンを教えているような講師の先生たちだったそうです。みんなただ音楽を聞きに来たということではなく、演奏法とかアレンジとか、そういうことに興味がある人たちのようで、ただならぬ熱気を感じました。
内容はそれぞれの好きな分野のソロと、トーク、それからアンサンブル、楽譜などの紹介でした。「師匠」はプロですから当たり前だけど、意外に友人のトークがコンセプトのとおりアットホームな感じで面白かったです。それから演奏はもちろんとても楽しめました。
うちの子もエレクトーン、いまだにやめずに(という程度です)たらたらと続けていますが、毎年の発表会が苦痛です。出るほうはいいけど、おつきあいで聞かされるほうは大変。子どもの演奏って全然面白くないんですよ。
楽器といっても所詮は機械。今のエレクトーンはデータを買って、そのデータで楽譜どおりに弾けば、みんな同じ演奏ができる。「表現」する内容のない子どもだと、いくらうまくてもただ機械に弾かされているだけ。大体、子どもがジャズやフュージョンを弾いて面白いわけがないじゃないですか。ああいう「大人」の音楽は表現したいものがないと、ただの物まねです。
だけど、楽しむことを知っている大人の演奏は、そんなにうまくなくても聞けるんだと、ことし子どもの行ってる教室の大人の発表会を見に行って知りました。楽器自体が「機械」ですから、それを操って表現したいものがあるのとないのとでは雲泥の差になってしまうんでしょうね。
そんなことをその友人に話したことがありました。だから今回のコンサートも、来る人は講師の人たちばかりという中に、特に誘ってくれたのだと思います。演奏は、それは発表会クラスの人とは全然違って、プロ、セミプロ級の人たちですから、すばらしかったですよ。
選曲がとにかく面白い。めちゃくちゃマニアックなのです。普通コンサートではある程度聴衆受けのする曲とか、みんなの知っていそうな曲とか、そういうものを間に入れながら進めていくことが多いのですが、そんなことお構いなしの構成。まず、ああ、この人たち、ものすごい演奏オタクなんだ~!と思いました。
それからエレクトーンという楽器の表現の可能性というものにも驚かされました。今のエレクトーンは指のタッチの違いをそのまま音で表すことができます。強く弾けば強い音、柔らかく弾けば繊細な音、音を長く伸ばすときも、徐々に鍵盤に力を加えるとそのとおり音が大きくなります。(これを「入れ込む」と言っていました。)
昔、私がやっていたときは、フットペダルで強弱をつけていたけれど、これだと旋律だけじゃなく全体(リズムとかベースとかまで)がボワーッと大きくなって、すごくわざとらしかったのです。それが今はペダルも使えますが、それよりも指の力で強弱を表現するほうが普通だそうです。また、音色の種類によって、例えばバイオリンとかフルートとかによって奏法を変えていくと、本当にその生楽器の音のような表現ができます。左手はストリングス、右手は管楽器なんてなった場合、私だったら頭がこんがらがってしまいそうですけどね~。
実際、フルートの音などは頭に息の音まで入っていて、たたくように弾くとそれが強調されたりして、とてもよくできているなと思いました。あと、鍵盤を左右に揺らしてビブラートもできるんですよ。バイオリンなんて、ほんとに弾いているように聞こえるのです。
ほかの出演者の方はみな自分で編曲したものを弾いていました。今のエレクトーンは操作が複雑で、とても素人が1から音を作るなんてできません。昔のエレクトーンは音色を自分で決めたり、曲をアレンジしたりというのが普通でしたが、今習っている人はほとんど市販された楽譜に市販されたデータでやっていると思います。だから、自分の好きな曲を好きなようにアレンジができるレベルの人というのはすごい!
でも、友人はあえて市販の楽譜をつかっての演奏でした。前はアレンジも音作りもしていたそうですが、それにたくさんの時間をとられて弾く時間が少なくなるのはもったいない、もっぱら弾くほうに専念したいということで。市販の楽譜でも弾き方によっては、うちの子がやっている6級~7級クラスの楽譜でも全然違う曲になるそうですよ。そういう表現の幅があることを伝えたい、特に子どもを教えている講師の人たちにそれを伝えたかったと、あとで話してくれました。
そのとおり、とても表現豊かな楽しい演奏でした。この曲、こんなふうにも弾けるんだ~とか。ほかの出演者も、コンクールなどで弾いた曲もまた演奏していたそうですが、コンクールではいろいろ規定があったり、演奏の時間が決まっていたりして、なかなか思うような曲作りができないそうです。そんな決まりを全部取り払って、存分に表現できる場所をつくってあげる。そうするとみんな水を得た魚のようになっていくんだなあと、本当に出演者がみんな楽しんでやっているのが伝わってくるいいコンサートでした。それに、エレクトーンって、ただの指先の芸じゃなくって、両手両足、全身を使って表現するものなんだと改めて感じました。
いいなあ、私もやりたくなった?いえいえ、とても‥‥。。数年前に私も、誘われて○十年ぶりに「大人のグループレッスン」というのに1年ぐらい通ったのですが、情けないことに今の機械についていけない!昔のエレクトーンのように曲の途中でばたばたとレバーを操作したりということはなくて、とても便利!と思う半面、リズムなども全部データに打ち込まれているので、一度始まったら止まらない!ついていくのに必死!ということで、機械に弾かされてるみたいで面白くなくて(というより、置いていかれてばかりで頭にくるので)やめてしまいました。昔の機種と微妙にフットペダルの位置が変わっていて、いまだにベースを踏み外すし!(昔の機種を体で覚えているというのはすごくない?)
だけど今回のコンサートでまた少し見方がかわりました。どんな楽器でも極めるのは大変!でも、楽しみ方も無限にあると。楽しいコンサート、どうもありがとうね!





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